研究分野別一覧

意思決定

  • OS02-3
    公募発表
    村田光二 (成城大学)
    唐沢かおり (東京大学人文社会系研究科)
    本研究では、犯罪者の子どもに対する偏見の要因について、潜在的態度と顕在的態度が一致しないことを検討した。シナリオ実験を行った結果、顕在的指標によれば人々は遺伝的つながりを重視せず、むしろ社会的つながりを重視することが示された。しかし、シナリオ中の子どもが犯罪者の実子であると知らされた参加者はそうでない参加者よりもその子どもの性格をネガティブに評定する傾向にあり、潜在的態度として人々は遺伝的つながりを重視することが示唆された。
  • OS02-4
    公募発表
    藤崎樹 (東京大学大学院総合文化研究科)
    本田秀仁 (安田女子大学心理学部)
    植田一博 (東京大学大学院総合文化研究科)
    私たちは日々,好みに関する意見を求められる.こうした際,どうすれば有益な意見を与えられるだろうか.最近,一人に複数人分の意見を擬似的に算出させることで,有益な意見を生み出すという手法が提案されている.しかしこの研究では,参加者をまとめて分析していた.そこで本研究では,個人差が手法の有効性に与える影響を検討した.結果,平均から離れた好みを持つ人ほど,手法の有効性が高まることが明らかとなった.
  • OS02-5
    公募発表
    本田秀仁 (安田女子大学心理学部)
    藤崎樹 (東京大学大学院総合文化研究科)
    松香敏彦 (千葉大学)
    植田一博 (東京大学大学院総合文化研究科)
    本研究では個人が用いるヒューリスティックが有するバイアスが集団意思決定に与える影響について,集団の記憶の多様性を視点として,計算機シミュレーションに基づく理論的な分析を行った.結果として,1)集団の記憶の多様性は,問題の性質によってバイアスを解消,あるいは強める効果がある,2)集団の記憶が多様であるとバイアスの影響を受けにくくなり,問題の性質に関係なく集団意思決定のパフォーマンスを高いレベルで維持できる,以上2点のことが明らかになった.
  • OS02-6
    公募発表
    中村國則 (成城大学社会イノベーション学部)
    This study aimed to explore this correlational relationship between probability and utility by requiring participants to estimate both probabilities from payoffs and payoffs from probabilities under gain or loss situation. Results indicated that when estimating values of payoffs from probabilities, participants’ judgments showed clear negative correlations between probability and utility both in gain and loss situation. However, when estimating probabilities from payoffs, this negative correlation between utility and probability was found only in gain situation.
  • OS09-3
    公募発表
    浅野旬吾 (電気通信大学)
    伊藤毅志 (電気通信大学)
    本報告では,正体隠匿型の多人数ゲーム「DREAMS」を紹介する.本ゲームの特質について述べ,このゲームでは,非言語的コミュニケーションにおける解釈や相互理解が必要なゲームであることを説明する.そして,このゲームをコンピュータ上で対戦するために現在開発中のデジタルプラットフォームについて説明し,このゲームを用いて考えうる認知科学的研究について説明する.
  • OS13-3
    公募発表
    水津功 (愛知県立芸術大学)
    齋藤洋典 (中部大学)
    高齢者施設のデザインを考える上で第一のユーザーは施設利用者としての高齢者であるが、彼らは加齢による認知症等によりデザイナーとの対話が困難な場合が少なくない。そこで介護福祉士(介護士)を高齢者施設デザインのSDM(共有意思決定)の構成員に加える可能性について考察する。本稿は、介護士へのインタビュー調査から得られたデータを元にした分析の中間報告である。
  • O1-2
    小松孝徳 (明治大学総合数理学部)
    人間とのコミュニケーションを目的としたロボットが,我々の日常生活空間に急速に普及しつつある.我々はこれらのロボットを「何者」と認識しているのであろうか.本研究ではこの問いに対して,ロボットが日常生活空間に普及することで起こりうる状況を想定した「日常的モラルジレンマ課題」を提案した.本稿では,この日常的モラルジレンマ課題によって,ユーザがロボットおよびその設計者,製造者,使用者をどのように認識しているのかについての調査結果を報告する.
  • O3-1
    真隅暁 (沖縄工業高等専門学校)
    佐藤尚 (沖縄工業高等専門学校)
    確率的逆転学習課題は,刺激と報酬との対応関係を課題の途中で逆転させることで,環境変動に対する被験者の柔軟性を測る課題として知られる.本研究では,被験者が「逆転」などの課題の潜在構造を学習しているかを分析することを目的として実験を行った.正答率の分析から,被験者が刺激と報酬の対応を学習していることが確認された.さらに,強化学習モデルを用いた分析から,潜在構造を学習していると仮定したモデルが行動データをよく説明する可能性が示唆された.
  • O3-2
    鳥居拓馬 (北陸先端科学技術大学院大学)
    日髙昇平 (北陸先端科学技術大学院大学)
    小林瞭 (北陸先端科学技術大学院大学)
    人はある課題を解くために獲得した知識を新しい課題を解くのに転用できる.こうした知識の転移を解明すべく,地図未知な意味グラフ上の案内課題を用い,この新奇課題に対して参加者が「常識」(概念の関係)を転移させるときの行動データを分析した.強化学習を用いたモデルベースの行動分析から,案内課題が終盤に向かうにつれ,参加者は転移元の「常識」が新奇課題にうまく適合したかように行動することが示唆された.
  • P1-17
    野村竜暉 (静岡大学大学院総合科学技術研究科)
    遠山紗矢香 (静岡大学)
    竹内勇剛 (静岡大学創造科学技術大学院)
    人とエージェントによる協調作業において,エージェントの援助の失敗は信頼関係の破綻に繋がる.これを防ぐ方法として「エージェントに失敗の責任を帰属させない」という手法を検討した.責任の帰属のプロセスをモデル化できればこれに則したインタラクションの設計が可能となる.そこで人がエージェントを社会的存在であると認知していることを検証する予備実験を行い,モデル構築のため責任の判断プロセスを明確にする実験を検討した.
  • P1-38
    白砂大 (東京大学)
    本田秀仁 (安田女子大学心理学部)
    松香敏彦 (千葉大学)
    植田一博 (東京大学大学院総合文化研究科)
    本研究では、日常場面(商品選択)に着目して、なじみ深さの類似性に基づくヒューリスティック「familiarity-matching (FM)」の利用を検証した。「商品Xを買うなら? A社製 B社製」という課題に対し、FMによる予測が、実験参加者の選択パターンとどの程度一致するかを算出した。結果として、予測の一致率がチャンスレベルを上回ったことから、人が日常場面においても、FMのような選択方略を行っていることが示唆された。
  • P1-39
    辻泰輝 (千葉工業大学 大学院)
    山崎治 (千葉工業大学)
    本研究の目的は,事前の目的設定の有無がデータ分析の過程や結果の洞察に及ぼす影響を調査することである.実験では「目的あり群/なし群」に分けた参加者を2人ずつの組にし,仮想的な店舗の売り上げデータに基づいた複数のグラフを提示した上でデータ分析を行わせた.分析過程について参照されるグラフの推移を整理した結果,両群の間に目的の有無が及ぼした差として,データを示すグラフの閲覧・利用の仕方に違いが現れることがわかった.
  • P1-41
    大貫祐大郎 (東京大学)
    本田秀仁 (安田女子大学心理学部)
    植田一博 (東京大学大学院総合文化研究科)
    従来の研究では、数値プライミング、または意味プライミングのどちらがアンカリング効果を発生させるのかに関して議論してきた。本研究の結果から、アンカリング効果の発生には、数値に単位を付けて提示する必要性が高いこと、数値を提示しない意味プライミングだけではアンカリング効果が発生しないことが確認された。本研究の結果は、アンカリング効果の発生メカニズムを解明するために、2つのプライミングモデルを組み合わせることが重要であることを示唆している。
  • P2-20
    川口りほ (東京大学工学系研究科航空宇宙工学専攻)
    柳澤大地 (東京大学先端科学技術研究センター)
    西成活裕 (東京大学先端科学技術研究センター)
    周囲の行動を予測する際, 他人の選好に関する情報を得ようとする. 集団の中で意思決定する場合, 周囲の人の平均的な嗜好を表す情報を参考にすると考えられる. 本研究では, このような曖昧で不確実な情報をもとに意思決定をする状況を再現するために新たなゲームを構築し, 実際の参加者による実験を行い, 参照情報がある場合の人の意思決定方法を分析した.
  • P2-39
    遠山和杜 (早稲田理工学術院 基幹理工学研究科 表現工学専攻 渡邊克巳研究室)
    北村美穂 (早稲田大学 高等研究所)
    渡邊克巳 (早稲田理工学術院 基幹理工学研究科)
    本研究では椅子画像に対する価格推定課題によって,アドバイスの距離と方向性(ベクトル)がアドバイス受容に与える影響を検討した.実験参加者は呈示された椅子画像から価格を推定し(初期判断),初期判断を±75%,±50%,±25%いずれかの割合で増減させた価格をアドバイスとして与えられた上で再度価格推定を行った.試行毎にアドバイス受容の程度を算出した結果,初期判断に対するアドバイスのベクトルがアドバイス受容に有意な影響を与えることが認められた.
  • P2-47
    其田憲明 (東京電機大学大学院)
    高橋達二 (東京電機大学 理工学部)
    本論文では, Risk-sensitive Satisficing (RS)とRSを用いた満足化と記録共有による対抗模倣について, goal-setting theoryとの比較を行うことで人間の学習との関連性を把握することを目的とする. バンディットタスクを用いた確率的なノイズと疎な間隔での情報共有について検証を行なった結果, RSとRSによる対抗模倣にはgoal-setting theoryとの共通する点が見られた.
  • P2-48
    熊谷洋 (北九州市立大学)
    森本泰宏 (北九州市立大学)
    顧是凡 (北九州市立大学)
    松田憲 (北九州市立大学)
    有賀敦紀 (広島大学)
    「選択のオーバーロード現象」には賛否両論あり、必ずしも一致した見解があるわけではない。そこで、今回商品に対する関心度を予め分析し、商品選択肢数の相違に伴う満足度、後悔度及び購入意図の変化と「選択のオーバーロード現象」の発生について検討した。その結果、同一の参加者でも用いたペットボトルの種類と商品への関心度の相違によって「選択のオーバーロード現象」の有無が生じることが確認できた。
  • P2-49
    鶴島彰 (セコム株式会社 IS研究所)
    反応閾値モデルとソーシャルフォースモデルを組み合わせたマルチエージェント・シミュレーションによって、地震避難における「逃げる」と「留まる」の選択が織りなす空間パターンの創発現象に対して、合理的思考、認知バイアス、物理条件の三要素が与える影響について分析した。さらに合理的に振る舞うエージェントの割合を変化させることで,合理的思考の影響について分析した.
  • P2-50
    森山徹 (信州大学)
    園田耕平 (立命館大学)
    右田正夫 (滋賀大学)
    齋藤帆奈 (東京大学)
    心の本質とは何か.それは,我々がヒトや動物と対面する際生じる「何をしだすかわからない」という感覚,すなわち,予測不能性,理解不能性,総じて,他者性であろう.筆者らは,この他者性を生みだす実体を,ヒトや動物に潜在する行動抑制ネットワークであると考えた.発表では,ダンゴムシに他者性としての心を見出す例を紹介し,心は複雑な情報処理機械であるという仮想から抜け出し,心は創発をもたらすネットワークであるという現実の理解へ至るアプローチを紹介する.
  • P2-53
    村越真 (静岡大学教育学部)
    南極地域観測隊を対象に、氷河のリスクに対するイメージについて、南極滞在の前後で活動時の写真を使った聞き取りを行った。また、氷河上で活動する研究者からの聞き取りをおこなった。その結果、滞在前後でリスク評価が低減する傾向に見られたが、その背後にはリスク要因に関する体験的知識や科学的知識の獲得が推測された。リスクに対する認知バイアスの問題について、知識や推論の点からアプローチする重要性が指摘された。

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