研究分野

デザイン

  • OS02-3
    公募発表
    原田 泰 (公立はこだて未来大学)
    南部 美砂子 (公立はこだて未来大学)
    本研究では,デザイン専門家がプロジェクトの中で専門性を発揮する方法を探っている.独創性や再現性の問題に着目し,デザイナーと周囲のメンバーの相互作用を重視した分析・考察を行った.関係構築と主体性の喚起がプロジェクト推進に重要であり,そのためにはプロジェクトの開始前と終了後のメンバーの関係性や活動にも注目した.プロジェクト単位ではなく,ライフワークとしてデザイン活動を捉えることがデザインの専門性を捉える手がかりと考えられる.
  • OS06-3
    公募発表
    上芝 智裕 (中京大学 工学部)
    宮田 義郎 (中京大学工学部)
    人間の創造的活動では,ものを作り,使い,学ぶ活動が不可分につながり循環する.しかし,効率化のために知識の作り手と使い手が分断された結果,創造的循環が抑制されてきた.コンピュータによる無制限の複製により創造の多様性が失われつつある中で,AIは創造過程にどのように関与していけば創造性を促進できるのか?カンブリアンゲームの中で画像生成AIが創造の結果ではなくプロセスに関わることにより,創造的行為の視野を拡張している可能性を実践データから探る.
  • O1-003
    福田 大年 (札幌市立大学)
    本研究では,学習過程を図的に表現する「学び展開図」と,学習ポイントを協働的に気づき合う「学び展開ディスカッション」を組み合わせた協創学習プログラムを開発した.本稿では,学び展開図と学び展開ディスカッションの開発の経緯と実践を解説する. 学び展開図と学び展開ディスカッションを繰り返すことで,学習者は自身の思考の変化に気づく.つまり,経験の図化と対話を往還する学習は,学習者の学習過程を再構成させる可能性がある.
  • O1-004
    小林 陽昭 (公立はこだて未来大学)
    坂井田 瑠衣 (公立はこだて未来大学)
    本稿は、一人称研究による自分の生きづらさを解消するプロダクトデザイン実践から得た、日常的に身体的な認知・行動を一人称記述する有用性を報告する。筆者が生活における身体的な認知・行動を私秘的視点と公共的視点により記述した二段階フィールドノートによって、自己完結するプロダクトデザインが自己満足に留まらず、本質的な課題の発見と解決を助ける。また、プロトタイプを構成的に作り変えることで生じる目的の変化を許容できるデザインプロセスとなる。
  • P1-002
    齊藤 萌木 (共立女子大学)
    岩城 奈津 (共立女子大学ビジネス学部)
    森 理宇子 (共立女子大学ビジネス学部)
    本稿は,共立女子大学1年生前期科目「リーダーシップ開発入門演習Ⅰ」の学習記録をもとに,Project Based Learningに先行して理論やスキルを学ぶリーダーシップ開発の初期段階の学習効果把握を試みた.「リーダーシップ最小三要素」及び「具体性」の2観点から受講者の提出物を分析した結果,授業をとおして「率先垂範」「相互支援」の二要素について理解が深まること,目標の具体性が向上することが明らかになった.
  • P1-012
    美馬 のゆり (公立はこだて未来大学)
    学習環境デザイン研究では,新たな教育理論と方法の開発が求められている.本研究では,拡張的学習論,パフォーマンス心理学,社会的に共有された調整学習などの理論を用い,学習者がエージェンシーを発揮する新たな教育アプローチを検討した.その過程でELSIの視点を組み込み,社会的公正教育からPBLを発展させた. ELSI志向PBLと名付けたこの方法で,学習者が現代社会の問題を理解し,対処するための知識とスキル,態度を養うことを目指す.
  • P1-014
    宮尻 琴実 (公立はこだて未来大学)
    坂井田 瑠衣 (公立はこだて未来大学)
    本稿では,LGBT活動に連帯しないと発言している男性同性愛者1名を対象に,「LGBT活動に連帯しない当事者」としての自身の位置づけ方とそのような位置づけをする理由を明らかにした.連帯しない当事者は,自身がLGBT活動の支援を必要とする存在ではなく,むしろそうした活動が自身の生きやすさに影響を与えることから,自らをLGBT活動で使用を避けられているカテゴリーである「ホモ」として位置付けていた.
  • P2-008A
    松浦 李恵 (宝塚大学東京メディア芸術学部)
    さまざまな環境で創作者をになることができるようになった今日において,創作者を目指す者がどのようなプロセスで評判を獲得しながら,創作活動を可能にしているのかを詳細に明らかにしているものは少ない.そこで本研究は,イラストレーターのSNS上の評判獲得に着目し,イラストの創作プロセスについてケーススタディとして考察する.
  • P2-017
    廣田 章光 (近畿大学)
    本研究は問題発見と解決についてプロトタイプの社会に広く公開することの効果を対話の枠組みで考察をする。そして、開発者のデザイン行動のみならず、社会実験における「非開発者」のデザイン行動の存在と影響を示す。さらに非開発者のデザイン行動を開発者が観察することによって、新たなデザイン行動を生み出す場合があることを示す。この2つのデザイン行動について、開発者の気づかない問題の発見に向けて2つ対話の存在を明らかにした。
  • P2-047
    城 真範 (産総研)
    浅野 健一郎 (産総研)
    木村 健太 (産総研)
    佐藤 洋 (産総研)
    本報告では、個人によって異なる多様な主観的認知から得られた統計に一定程度の客観性、汎化性を持たせるための、アンケートのデザインと結果の提示方法における一つの指針を提案する。仮想的な例を使って構成したアンケートの例を示す。
  • P2-057
    元木 環 (公立はこだて未来大学)
    塩瀬 隆之 (京都大学総合博物館)
    本研究は,筆者らが自ら監修する大学博物館の企画展示においてキャプション解説と対人解説を行った場合,観覧者の反応が異なることに着目した.あらかじめ用意した展示解説と会期中に発信したSNSによる対人的な解説の内容と構成を比較考察したところ,SNSによる解説では,展示監修を通じて得られた気づきや意義,個人的関心が補完されていた.
  • P2-059
    Gabriel Rusk (中京大学工学部)
    宮田 義郎 (中京大学工学部)
    淺川 仁都 (中京大学工学部)
    In collaborative efforts with a Bangkok school to make compost with food waste from our respective schools' cafeteria, we found that people seem to cross social boundaries and connect with each other while making compost. From these observations, we suppose that social boundaries make it difficult to see the natural flow of energies in the ecosystem, resulting in social issues like food waste in the food supply against our environmental and economic desire not to waste food. We'd like to suggest that creative collaboration working with biological processes of microbes making compost can help blur these boundaries, see potentials that we don't normally see, and reorganize ourselves more in line within the natural flow of the ecosystem we’re part of.
  • P3-005
    南部 美砂子 (公立はこだて未来大学)
    渡部 太基 (公立はこだて未来大学)
    本研究は,TRPGと呼ばれる即興演劇的な対話ゲームにおいて,プレイヤー自身とは異なるジェンダーのふるまいがどのように表現され,プレイヤー間でどのような相互行為が生じるのかを,探索的に検討したものである.ゲームの序盤ではステレオタイプ的なジェンダー像が表出されていたが,互いのキャラクターを精緻化していく相互行為のなかで,ペアに固有のジェンダー表現が立ち現れ,男女二元論を超越した新たなジェンダーのあり方や表現が共創されていたと考えられる.
  • P3-034
    横溝 賢 (札幌市立大学)
    平尾 実唯 (株式会社ニトリ)
    自己を不在にしたままユーザを客体化して見ようとする人間中心設計アプローチには環世界への志向が伴わず、デザイン行為に関係する当事者間に相互性が生まれにくい。そのように考えた筆者らは,短歌を取り入れた私中心のデザイン実践を試みた.具体的には現場に出向いて詠んだ短歌を題材にモビールを制作し、モビール歌会を通じた社会的なデザイン実践である。本稿では,一連の実践を省察することから,短歌がもたらす社会的なデザイン実践の知の在りどころを明らかにする.
  • P3-046A
    安久 絵里子 (筑波大学)
    原田 悦子 (筑波大学)
    椎葉 黎 (筑波大学)
    渡部 健 (筑波大学)
    富田 智晶 (沖電気工業(株))
    赤津 裕子 (沖電気工業(株))
    マニュアルを見ながら同一あるいは類似の課題を複数回繰り返す実験室実験を行い,「慣れ」の生起の有無,および慣れによる作業者の行動の変化を検討した.その結果,同一の課題を繰り返すほど課題時間が減少し,主観評価が向上し,マニュアルを見なくなるという「慣れ」が確認された.一方で,類似の課題を繰り返し行う場合には,課題時間が減少し,マニュアルを見なくなるという慣れの影響が行動には現れたが,主観評価には反映されないことが示された.
  • P3-058A
    藤森 裕紀 (東京学芸大学大学院)
    筆者自身の授業実践における省察記録やスケジュール,特徴的な出来事をもとに,教員の日常的な授業改善を支援する省察手法に求められるデザインについて探索的に検討した.実践の中で省察手法の役割が変化し得ることや省察的実践が中断される場合があること,再開する際は中断以前のねらいや手続きが継承される可能性があることが示唆された.実践の中断が起こりうることを念頭に置いた,省察の再開を支える省察手法のデザインが求められる.