研究分野別一覧
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OS09-2公募発表本研究では,ジレンマ環境での新規なコミュニケーションシステムの成立と変化について,ゲームを用いて実験的に検討した.ゲームでは,利益を独占する行動と二者間でやり取りされるメッセージの曖昧さに相互関係があると想定された.ゲームを用いた予備的な実験の結果から,曖昧な意味付けを含むコミュニケーションの生起の可能性が示された.その上で集団実験を行い,生起したコミュニケーションに多様性があることが確認された.
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OS10-4公募発表本論では,二者間でやり取りされる記号表現に構造依存性が発生する過程を定量的に観察できる実験課題について検討し,2対2のゲーム課題を開発した.その結果,協力する二者が共創した意味の数と,扱う記号表現のバリエーションの増加を確認した.しかし,構造依存性を持つ表現の発生は確認されなかった.その原因として,協力・競合関係から生じる失敗回避の動機によって,二者間でやり取りされる意味の増加が抑制されたのではないかと考えられる.
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OS10-6公募発表This study demonstrates that in combining a noun (thing) with an adjective (evaluation), several frame elements, which we refer to as competitor, standard, judge, and background scale, are evoked; each element significantly affects the final value-judgment externalized by an adjective expression. Specifically, some or all frame elements are involved in the meaning-making process of adjective expression formation, and they function in a unique and complex manner. To test this assumption, we conducted two simple experiments: a drawing task and an eye-tracking study. The results of these experiments supported our hypothesis.
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OS10-7公募発表本研究では形容詞を伴う英語の結果構文(RC)の獲得について探究する.発達心理学の研究に基づけば,子どもは原因と結果の事象関係を発達の初期段階で認識する.RCは因果関係の事象を表すにもかかわらず、発達初期段階でのRCの獲得は確認し難い.一方で、同じ使役構文に属するMake使役構文(MCC)は初期発話段階で確認できる.RCの獲得についてMCCとの構文特性の違いに着目し,構文文法論における構文間の繋がりを示す継承という考えに基づき説明する。
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O1-1本研究では,ラグビー選手の疾走に対する認知過程について明らかにすることを目的とした.方法として,ラグビー高校日本代表選手が記述した言語報告を要素化し,プロットグラフを作成した.考察から,(1)疾走に伴うスピード・加速の体感,(2)ラグビーへの応用,が共通した認知として示唆された.また,ポジション別によって差異が確認され,(3)フォワードは腕振りを意識,(4)バックスは下肢の動作を意識,などが特徴ある傾向として示された.
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O2-4本研究では示唆特徴が話し手の比喩表現に対する適切性と選好の判断に与える影響を検討する。2つの実験の結果、比喩の適切性の評定課題と比喩の選好判断課題のそれぞれにおいて、標的比喩の示唆特徴(ある比喩に固有の特徴)を呈示した場合に、競合比喩の示唆特徴や共通特徴を提示した場合よりも、適切性や選好が高くなった。これらの結果は示唆特徴が特定の比喩表現の使用に影響している可能性を示唆した。
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P1-1Word production requires conceptual preparation, lexical processes, phonological processes, and motor preparation. Indefrey and Levelt (2004) proposed the time course of these stages in serial progress, without including the effect of overt speech. To clarify this effect, we recorded electroencephalogram from participants performing the following three tasks: naming, phonology, and category tasks. We found that task differences were observed sequentially as the model suggested. Moreover, a semantic interference effect was observed only in naming task. Our results suggest that the speech motor command of the word affects early lexical-semantic processes. We propose some modifications of the model include cascade and interaction between stages.
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P1-24本研究では,舞踊の身体知を,コンテンポラリーダンサー(以下ダンサー)の熟達と言語化の働きという視点から探った.国内外の公演で活躍中のダンサーを対象にPAC分析調査を実施し,舞踊における知の様相及びその熟達の特性を考察した.そこから,ダンサーの身体知には,型の知およびその型の定着によって獲得される「場」の知が含まれ,この場の知が舞踊における「上演の知」であること,熟達には上演の知の言語化,即ちメタ認知的言語化の寄与が示唆された.
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P1-27開拗音の存在は、日本語の音節構造を考える上で興味深い問題を引き起こす。もし開拗音が 1 つの子音なら、日本語の頭子音に子音連鎖はない。一方、開拗音が子音+介音の構造を持つなら、限定的ではあるが、日本語は頭子音の子音連続を許すか, /ia/, /io/ などの上昇二重母音を持つ。本稿は、日本語拗音の構造について生理学的手法による検討を行う。結論として、複数の先行研究と同じく拗音は [CjV] という構造を持つと考えるのが妥当と述べる。
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P1-32対話インタラクションにおいて,非言語行動とされる聞き手のあいづちと視線は話し手の発想促進に影響を及ぼすのか検討する.独立変数はあいづちの頻度(多・少)×視線(有・無)で参加者内計画をとる.従属変数は発想数,発話数,関心・同意・賞賛の認知と考える意欲とする.課題や要因の提示順は4×4のグレコ・ラテン方格法によりカウンタバランスがとられる.
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P1-33意味の創造過程としての動的な比喩理解の分析と実現のために数学の圏論の概念を用いて提案された不定自然変換理論 (TINT: theory of indeterminate natural transformation, Fuyama & Saigo, 2018; 布山 & 西郷, 2019) の計算論的な実現を目す.その実装の過程で現状の諸課題を浮かび上がらせ,その解決案を提案する.
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P1-34言語性能力は加齢による影響を受けにくいとされる一方,加齢により低下するとされる抑制機能が文章理解に関係するとも言われる.本研究は,複数文の中の1文がテキスト全体の記憶表象に合致しない不要文である材料テキスト20セットを作成し,記憶課題成績や読み過程の分析から,若年成人は不要文を組込まない記憶表象を構築するのに対し,高齢者は不要文を抑制せず両者が混在する記憶表象を作ることが示され,テキスト読解過程と抑制機能の関係について考察を行った.
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P1-36物語の大局的理解と局所的理解の相互依存的関係は解釈学的循環と呼ばれ,文章理解の基盤の一つとされる.本研究は解釈学的循環の認知過程解明を目指し,大局的理解を反映する元童話推定課題と局所的理解を反映する意味的段落分け課題を提案し,両課題回答の関係性を分析した.その結果,両課題回答間の一貫した関係性や,意味的段落分け回答において物語終盤とそれ以外の部分に対し異なる構造が示唆された.これらの構造は解釈学的循環の認知過程の一端を示唆する.
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P1-42本研究では、指さしの解釈の方法について注目し、対象物を指し示す際の指さしの遠近、文脈の有無によって、指さしの対象特定における文脈の効果を検討した。例として、実験者が風邪を引いていて何かを飲みたいという文脈において「それを取ってください」と発言しながら指さしを行うと、実験参加者は指さしの先にあるジュースではなく指先から逸れた位置にある風邪薬であると解釈した。また、対象からの距離が近い指さしであっても、文脈を優先した解釈をする結果となった。
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P1-48対象の空間位置が指示される場面では、指示者側の視点に基づく制約に関する認識が、被指示者の一人称視点からの見えによって影響を受けることが考えられる。また、指示間違いの可能性に関する被指示者の認知の影響を考えることも重要である。本研究は、これら二点について検討した。その結果、空間指示場面において、被指示者視点からの見えと指示間違いの可能性の認知が、被指示者の空間指示理解に影響を及ぼすことが示唆された。
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P1-49一人の実践者が,好みの「卵焼き」/「出汁巻き卵」を作成できるようになるまでの過程を,言語化により記録した.言語化した記録のうち,実行した動作に関する記述および動作や状態への気付きに関する記述に注目し,それらの変遷について分析・検討した.その結果,気付きの詳細化に伴った調理品の完成度の上達が認められた.また,習得された動作が実行できなくなったときには,新たな気付きを生みながらより再現性の高い動作が獲得し直される過程が観察された.
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P1-54言語は社会的営みを通して習得される.とくに音声言語の習得過程では,一連の音の中から音韻を意識できるようになることが重要である.本研究では,インタラクションを介した音韻意識の獲得プロセスをモデル化によって理解することを目的として,認知アーキテクチャを用いてモデルを構築しシミュレーションを行った.シミュレーションの結果から,未熟な音韻意識をモデル化する方法や音韻の誤りを抑制する要因が示唆された.
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P1-63概念の神経表象が課題文脈によって変化するか検討するため、fMRI実験を行った。同じ単語刺激を提示して4つの判断課題で脳活動を比較した。食物の色、形、カテゴリー、食べ方(行為)に関する判断を比較したところ、左IPLと左ITLの活性化程度が課題によって異なった。この結果は、同一の概念でも、文脈によって神経表象が異なる可能性を示している。
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P1-64本調査では,情報交換タスクを使用し,授業内での学生同士の対話における統語的プライミングの可能性について検討した.明示的な指導をしなくても事後テストの正答率が上がったこと,タスク内で作成したwh疑問文の正答率は事前・事後テストを上回っていたことなどから,統語的プライミングの可能性が示唆された.
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P1-65本論文は自然言語文の理解を,取引サイクルを形成する市場アルゴリズムとして解釈した.市場モデルは協力ゲームの一種であり,また三重対角化を用いたその数値表現が提案された.コンピュータ実験として,日本語WordNetを用い,語義説明を節形式に翻訳し,語義の写像で定義されるゲームのコアを求めた.またベクトル・行列に再表現して三重対角化を行った.
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P1-66『日本語地図課題対話コーパス』において,地図上のランドマークが最初に対話に導入される方法を分類する。分類方法を提案し,提案した方法に則って実際のデータにアノテーションを施し,提案方法の有効性について検討する。
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P2-2英単語に由来するカタカナで表記される外来語は日本語で広く使われ、英単語に対するなじみ・親密度を高めるなど英語学習に良い影響もあるが、覚えてしまった日本語のカタカナ語としての発音を忘れて英語として正しい発音を身に付けることは、大学生となると極めて難しい。「チョイスする」という日本語から choice (名詞)を動詞のように捉えて、choiced と過去形にして英語の文を構成するなど、カタカナ語の影響と思われる英語の誤用は多い。
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P2-3本研究は、バイリンガル脳を明らかにしたLeiらの実験結果を、さらに機能的連結性の観点から再解析したものである。朝鮮族のバイリンガルは、2つのfMRIセッションを通じ、「状況に即した翻訳なし言語切替」 (SnT)、「集中的な同時翻訳つき言語切替」(FST)のタスクを行った。その結果、自然な状況下での言語切替(SnT)には、脳の両側の言語野と、認知状態を考える上で重要な皮質領域の連携が関与していることがわかった。
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P2-5「pならばq」という形式をとる条件文を人間が解釈する際,論理学上の古典的な定義と人間の直感的解釈に相違があることが知られており,加えて近年新たなアプローチの真理値表としてJeffrey tableが提唱されている.また条件文の確率的判断についての先行研究ではOver らによる研究がある.この研究での実験を参考に日本語条件文で実験を行い,日本語での条件文の確率的解釈の分析および, Jeffrey tableの妥当性を検証を行なった.
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P2-6「pならばq」という形式をとる条件文の真理値について人間が解釈する際,「真」,「偽」だけでなく「不確実」をとることが知られている.この「不確実」の取りうる値について, Jeffreyは真を1,偽を0としたとき0から1の確率値P(q|p)をとるとし, Wang & Zhuがその検証を行った.しかし実験の設計や方法には議論の余地も見られた.そこで本研究ではWang & Zhuの実験を改善して日本語での追試を実施し,結果の比較を行なった.
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P2-15読書が語彙学習に及ぼす効果について,Nagy [1]やCarver [2]の試算がこれまで提案されてきたが,関連する変数間の相互作用を仮定しないなどの点で不十分であった。本研究では,読書時間,未知語率,読み速度,学習率などについて,平均値,想定される個人差,変数間相互作用を実装する関数を,先行研究を参照することで設定し,試算を行った。結果として,標準的な読み手が年間に獲得する語彙数は,延べ数で3,371語であると試算した。
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P2-26本稿は,複数の実践共同体(community of practice,以下CoP)の関係構築のあり方が開発されたアプリケーション(以下アプリ)の表現にどのように影響しているかについて,大学のPBL(Project based learning)授業を研究対象とし分析,考察を行った.複数のCoPの関係構築のあり方と関係の変化によって,アプリも変化したことを確認している.
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P2-28本論では、「我々日本人」のように、文中で同じ役割を担い、同じ対象を表す2つの名詞句N1、N2が並列した構造を持つ [N1 N2]型の同格名詞句(nominal apposition) を対象に、Abrusάn (2016)、西山(2003)の前提とコピュラ文に関する研究を踏まえて、これまであまり議論されてこなかった情報構造、即ち、N1とN2の間の前提ー焦点構造が、同格名詞句の形成に及ぼす影響について考察する。
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P2-29“読解力”が,事前の音読で向上するかどうかを実験的に検討した.音読あり群の参加者は,リーディングスキルテスト受検前に2回音読を行った.その後,全員がリーディングスキルテストを行った.事前の音読課題の有無を参加者間要因とし,偏差値を分散分析したところ,イメージ同定と具体例同定(辞書)で有意差が認められた.具体的なイメージを想起する必要のある問題を解くとき,彼らのパフォーマンスが音読によって向上した.
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P2-30本研究では、コミュニケーションの有無あるいは個人の特性が、新しいオノマトペの創発にどのように関わるかを分析した。実験では、視覚的に触感覚を表現するテクスチャを提示し、参加者はそれをオノマトペで表現した。一人で表現する条件と二人で表現する条件で行なった。結果、二人で表現した時のオノマトペを一人で表現する時に多く流用する参加者と、ほとんど流用しない参加者がおり、前者と比べると後者は新しいオノマトペを有意に多く用いることが示された。
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P2-34過去の多くの空間指示詞の研究は、対象との距離や、話し手と聞き手の位置関係に着目して行われてきたが、近年では対象の可触性や可視性等も影響する可能性が高いとされている。本研究では、指示が明瞭な場合と不明瞭な場合で、話者間の情報共有の程度によって指示詞使用に差が生じる可能性を検討した。実験の結果、指示が明瞭な場合のみ、事前の情報共有の程度によって指示詞使用に差が生じた。指示の明瞭さだけでなく、情報共有の動機の強さも影響を与えた可能性がある。
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P2-35テキストから対象物を認識するにあたり,テキストのどのような内容が重要視されるのか,対象物同定実験を行い,読み手の視線を調査した.用途などの「ヒトとの関係」や外観説明「形態」から対象物は同定されやすく,特に「形態」が注視される傾向にある.これらの他の情報は影響が少なく,辞書に記載のある情報や高頻度で目にしやすい情報など,読み手が重要と考える要素が,必ずしも注視されず,読み手の意識と読み方が一致するのではないことがわかった.
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P2-36本研究では,ラップ中の手の運動がラップの音響特性にどのような影響を与えているかを検討した.プロのラッパーに参加してもらい,手の動きを抑制したり,自由に動かせたりする条件下でラップをしてもらった. 手の動きを抑制すると,ラッパーは大きい声を出すようになること,手が動かせる条件下ではピッチが高まることが示された.以上の結果から,ラッパーの手の動きは,単なる視覚的効果だけではなく,ラップの音楽・言語活動を促進させる効果もあることがわかった.
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P2-37本論文では, L2音声習得が進むことで, 無声摩擦音の音声知覚マップがどのように変化するのか, そして既にあるL1音間の距離はどのように変化するのかを, ノイズ下での音声混同実験により調査した。混同傾向のMDSによる分析,および選択肢の選択率の比較により, 習得が進むことにより, [i] が後続する環境で, s, shが区別される, t,sの距離が近くなるなど, 知覚マップに変化が見られた。
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P2-38対格WH語を伴う修辞疑問文では発話時に聞き手を非難する解釈が生じうる.非難の解釈には,指示的解釈と非指示的解釈の2種類があるとされ,それぞれに対して異なる統語・韻律構造が想定できる.当該構造から,指示的解釈ではWH語に,非指示的解釈では動詞に強調アクセントが置かれるとの予測が成り立ち,その妥当性が検証されてきた.本研究ではさらに,上記のように予測される音声情報と視線情報を同時に呈示した場合の聞き手による指示性解釈の変化を検証した.
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P2-42日本語の282種の文の容認度評定と共に11種類の社会属性の値を1880名分取得した.層別解析で有意差が生じた事例数はQ1,Q7,Q4,Q9,Q2,Q10,Q5,Q3,Q6,Q8,Q11[影響力の順]でそれぞれ34(11.3%),22(7.3%),21(7.0%),21(7.0%),20(6.7%),19(6.3%),17(5.7%),16(5.3%),13(4.3%),13(4.3%),11(3.7%)だった.
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P2-44発話ターン制御に注視行動が果たす機能について、発話の基盤化アクト毎に注視行動の分析を行った。言語能力が与える影響を詳細に比較する目的で、母語3人対話と第2言語3人対話の注視行動を比較した結果、両言語条件に共通してack 発話では現話者から次話者への注視量は他の基盤化アクトに比べ低くなることが観察された。これは ack 発話では、基盤化だけを行いそれ以外の新規情報を提示しないため、現話者の次話者の選択権限が低くなるためと考えられる。
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P2-51発話と身振りの処理過程を明らかにするために視覚的注意に焦点を当て,子どもが話者のどこを見ているかを検討した.6歳児21名,女子大学生21名を対象に,日常的な動作を発話と身振りで伝達するビデオをみせ,その後,4枚の写真からメッセージと最も一致するものを選択させた.課題に取り組む参加者の視線を計測した結果,6歳児は顔や身振りに対する視線に成人と差がみられなかったものの,発話と身振りの統合能力では両者に差があることが明らかになった.
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P2-57ユーモアには何らかの不調和が関与することが知られている.しかし,ユーモアを生じない不調和もあり,ユーモアを生じる条件は不明である.本研究では,韻律を有する皮肉的表現を用いて,文脈情報,発話内容,そして発話韻律の組み合わせで,不調和とユーモアの関係を実証的に検討した.結果,ネガティブな文脈とポジティブな内容と韻律の組み合わせの面白さが一番高く,ユーモアは文脈との不調和数と関係する可能性が示唆された.
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P2-58人間言語には非常に多くの語彙があり,かつその語彙の意味は集団で共有されている.人間は局所的なコミュニケーションを繰り返して共通の語彙を持った言語を創り出すことができる.本研究では,記号のやり取りを通じて協調的な調整課題に取り組むゲーム枠組みを用いてその計算モデルを構築した.結果,記号の意味推定に応じた行動修正の仕組みや他者の記号の使い方と行動の仕方を模倣する仕組みがあれば,集団で同一化した記号システムが形成されることを確認した.
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P2-63本研究は創造的特徴が生成される連想過程について、心理実験・言語データ解析に基づき検討した。2つの単語対が表す特徴を自由に回答する特徴生成課題を用いた心理実験結果に対し、回答された特徴間の”意味的距離”を言語データに基づき推定し、その距離を重みとして持つ連想ネットワークを作成する事で、創造的特徴を含む連想の特性を検討した。その結果、創造的特徴は多数の特徴からなる広範な連想過程において一定程度の連想が進んだ段階で生成されることが示された。
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P2-68昨今,ディープラーニングの進展が急速に高まりを見せながらも,人間関係を配慮した対話ではなくなっている。自然な発話だけでなく、対人配慮した会話は、生活する上で必要不可欠である。この中で,本稿は,従来の制御文により対話応答文生成のアプローチを言語学の語用論の視点、とりわけポライトネスと敬語を主とした配慮表現とを用いたものである。縦断的対話データも含め、配慮表現コーパスを作成し、分析手法も提示したものである。