研究分野別一覧

相互作用

  • OS08-3
    公募発表
    三島瑞穂 (宇部フロンティア大学)
    臨床心理学においてプロジェクションに最も近い概念は投影であるが,描画や刺激に対する言語反応への内的表象の投影に限られている.一方,認知科学では,認知的な働きの一つとして幅広くプロジェクションの研究が展開されており,その知見を臨床心理学に応用することで心の働きやメカニズムの理解が深まると考えられる.本研究では他者の視点と自己の視点を仮想的に交換することで心理的変容を促す心理療法を題材に,そこで成立しているプロジェクションについて検討する.
  • OS09-3
    公募発表
    浅野旬吾 (電気通信大学)
    伊藤毅志 (電気通信大学)
    本報告では,正体隠匿型の多人数ゲーム「DREAMS」を紹介する.本ゲームの特質について述べ,このゲームでは,非言語的コミュニケーションにおける解釈や相互理解が必要なゲームであることを説明する.そして,このゲームをコンピュータ上で対戦するために現在開発中のデジタルプラットフォームについて説明し,このゲームを用いて考えうる認知科学的研究について説明する.
  • O1-4
    清水大地 (東京大学大学院教育学研究科)
    岡田猛 (東京大学大学院教育学研究科)
    上演芸術では,他者と豊かな関わり合いが営まれ魅力的な表現が披露される.本研究では、同期理論を用いてこの関わり合いを検討する枠組みの構築を目指した.ブレイクダンスのバトルを対象とし、ダンサー間・ダンサーとDJ間の振る舞いの対応関係を検証したところ,単純な同期を超えた多様な部位間の複雑な対応関係が見られ、時間経過によるそれらの動的な変化が示された.上演芸術のインタラクション理解には,以上の関係性を捉える同期理論の拡張が必要と考えられる.
  • O4-1
    小嶋暁 (静岡大学)
    紅林優友 (静岡大学)
    森田純哉 (静岡大学情報学部)
    本研究では,コミュニケーション形成における個人特性として,自閉傾向に注目する.この特性は,社会的に不利と考えられている特性である.本研究では,コミュニケーション成立における自閉傾向の影響を分析する.本研究の実験においては,自閉症スペクトラム指数と新規なコミュニケーションの形成に有意な相関が認められた.このことから,自閉傾向は,コミュニケーションシステムの形成において有効に働いたと考察された.
  • O4-2
    市川淳 (神奈川大学)
    光國和宏 (京都工芸繊維大学)
    堀紫 (株式会社 博報堂)
    池野湧太 (株式会社 博報堂アイ・スタジオ)
    アレクサンドルルブロン (株式会社 博報堂アイ・スタジオ)
    河本徹和 (株式会社 博報堂アイ・スタジオ)
    西崎友規子 (京都工芸繊維大学)
    岡夏樹 (京都工芸繊維大学)
    本研究では,スマートスピーカーによる子育て支援の議論に向けた基礎的な知見の提供を目指して,そもそも子どもが対話型スピーカーに対して興味や関心,親密さなどに基づいてどのような行動を示すかを性格特性に着目して検討を行った.対話遊びを主とする観察実験の結果,情緒が安定している,神経質ではない,あるいは家庭とは異なるコミュニケーション環境に適応していると母親に評価された子どもほど活発に遊ぶことを確認した.
  • O4-3
    高橋麻衣子 (東京大学先端科学技術研究センター)
    福本理恵 (東京大学先端科学技術研究センター)
    中邑賢龍 (東京大学先端科学技術研究センター)
    学校になじめず学習への意欲を失っている児童に対し,活動から教科学習への展開をはかるActivity Based Learning(ABL)を実施した。地域の特産品である小麦をテーマとし,小麦から小麦粉をつくる活動を通し,理科や算数,国語等の教科学習へ展開した。学年や習熟度の違う児童が参加したが,活動を切り口に意欲を高め,リアリティを伴った知識の習得や教科学習の必然性の気づき等,共通の場から個別化された学びを達成している様子が観察された。
  • P1-7
    南部美砂子 (公立はこだて未来大学)
    河端里帆 (公立はこだて未来大学)
    観光行動のひとつである「まちあるき」のような,地図を手にしながらその土地を自由に探索する場面を対象として,紙地図条件とスマホ地図条件の探索行動(経路,距離など),参加者ペアの会話,地図や探索に関する主観的評価,探索の記憶と空間認知(マップスケッチ課題)にどのような違いがあるのかを検討した.その結果,地図メディアによって探索行動が大きく異なっており,紙地図はより豊かな共同行為としての探索を促すことが明らかになった.
  • P1-17
    野村竜暉 (静岡大学大学院総合科学技術研究科)
    遠山紗矢香 (静岡大学)
    竹内勇剛 (静岡大学創造科学技術大学院)
    人とエージェントによる協調作業において,エージェントの援助の失敗は信頼関係の破綻に繋がる.これを防ぐ方法として「エージェントに失敗の責任を帰属させない」という手法を検討した.責任の帰属のプロセスをモデル化できればこれに則したインタラクションの設計が可能となる.そこで人がエージェントを社会的存在であると認知していることを検証する予備実験を行い,モデル構築のため責任の判断プロセスを明確にする実験を検討した.
  • P1-18
    堀田拓海 (静岡大学大学院総合科学技術研究科)
    遠山紗矢香 (静岡大学)
    竹内勇剛 (静岡大学創造科学技術大学院)
    創造的思考場面において,当初とは異なる使い道や目的を発見することで,より重要な発明品や概念を生み出すというアプローチは有用であるが,固着が生じることでそのアプローチを発見しづらくなると考えられる.本研究では,エージェントとインタラクションを行う創造的思考場面において,エージェントに対し帰属する価値観が,エージェントの行動に対する解釈と,固着の解消・創造的思考プロセスの転換に影響するという仮説を,実験により検証する.
  • P1-28
    高梨克也 (京都大学大学院情報学研究科)
    本稿では野沢温泉村道祖神祭りの社殿建設のための協同作業を対象とした微視的ビデオ分析を行う.複数の事例を成員性と物質性という2つの観点から詳細に比較分析することを通じて,進行中の作業の中でどのメンバーがどの作業を担うべきかや,その作業の際にどのような道具や対象物の操作方法を選択すべきかといった,きわめて状況固有性の高い課題が参与者たちによってどのように解決されているかを例証する.
  • P1-29
    廣田章光 (近畿大学 経営学部)
    イノベーションにおける対話の重要性は指摘されている。しかしプロセスの視点でその実態を捉えた研究は少ない。さらに対話を構造的に捉えた研究も充分では無い。本研究ではインサイトに至る、認知と表現の相互作用を、開発におけるピボット(Pivot(変曲点))に注目し比較事例分析を行った。そこから閉鎖型と開放型の2つのタイプのピボットの存在を明らかにした。さらに2つのピボットの関係と閉鎖型から開放型へのピボットの変化について説明した。
  • P1-30
    小川雄太郎 (明治大学大学院理工学研究科)
    嶋田総太郎 (明治大学理工学部)
    近年,協調作業環境の1つとして複合現実(MR)環境がある.本研究では,MR環境下で協調作業中の2者の脳活動をハイパースキャニング計測した.実験の結果,協調作業時の方が単独作業時より、前頭前野での2者間脳波同期が高まった.またアンケートスコアと脳波同期の相関解析から,MR環境での空間や図形の共有感が脳波同期と関係することが示された.以上より前頭前野での2者間脳波同期は,MR環境下での協調作業の質を反映する可能性が示唆された.
  • P1-31
    吉田康行 (産業技術総合研究所人工知能研究センター)
    Bizokas Arunas (Non-affiliate)
    Demidova Katusha (Non-affiliate)
    中井信一 (ダンスジャルダン)
    中井理恵 (ダンスジャルダン )
    西村拓一 (産業技術総合研究所人工知能研究センター)
    ワルツは世界的に有名な社交ダンスである.また,社交ダンスを競技化しものは競技社交ダンス,またはダンススポーツとも呼ばれる.このダンスではホールドポジションにより,上半身のセグメントが連結され,そこから相互作用が生じる.本研究の目的は,競技社交ダンスのワルツにおけるインタラクションを歩幅と下肢の動作の観点から考察することである.
  • P1-32
    崔豪准 (名古屋大学)
    三輪和久 (名古屋大学)
    対話インタラクションにおいて,非言語行動とされる聞き手のあいづちと視線は話し手の発想促進に影響を及ぼすのか検討する.独立変数はあいづちの頻度(多・少)×視線(有・無)で参加者内計画をとる.従属変数は発想数,発話数,関心・同意・賞賛の認知と考える意欲とする.課題や要因の提示順は4×4のグレコ・ラテン方格法によりカウンタバランスがとられる.
  • P1-46
    佐藤信之介 (千葉工業大学大学院 情報科学研究科 情報科学専攻)
    山崎治 (千葉工業大学)
    本研究では,モデル構築による推定作業を促進する要因として課題遂行中の役割における等質性と異質性に着目した.等質性と異質性を操作するために2種類の役割を用意し,参加者に異なる役割を与える条件と,同じ役割を与える条件を用意し,課題遂行中の役割が等質性・異質性としてグループ形成に及ぼす効果を検討した.実験の結果,課題遂行中の役割を分けて与えた条件でモデルの構築が促進される可能性が示唆された.
  • P1-49
    石川悟 (北星学園大学文学部)
    一人の実践者が,好みの「卵焼き」/「出汁巻き卵」を作成できるようになるまでの過程を,言語化により記録した.言語化した記録のうち,実行した動作に関する記述および動作や状態への気付きに関する記述に注目し,それらの変遷について分析・検討した.その結果,気付きの詳細化に伴った調理品の完成度の上達が認められた.また,習得された動作が実行できなくなったときには,新たな気付きを生みながらより再現性の高い動作が獲得し直される過程が観察された.
  • P1-66
    川端良子 (国立国語研究所)
    『日本語地図課題対話コーパス』において,地図上のランドマークが最初に対話に導入される方法を分類する。分類方法を提案し,提案した方法に則って実際のデータにアノテーションを施し,提案方法の有効性について検討する。
  • P2-4
    福本理恵 (東京大学先端科学技術研究センター)
    高橋麻衣子 (東京大学先端科学技術研究センター)
    中邑賢龍 (東京大学先端科学技術研究センター)
    急速な変化に対応しながらイノベーションを生み出していくには,学習者たちが能動的に学び,知識を活用していくサイクルに誘うような学びの環境が不可欠である。そのためには教科の知識をリアルの場に繋げ、活動を通して知識の活用を学ぶ方法が有効である。本研究ではそのような学び方をActivity Based Subject Learningと名付け,日常生活に紐づく活動から教科横断的に学ぶことで知識の習得から活用へと展開する学び方を新たに提案したい。
  • P2-13
    大村勝久 (静岡県立浜松北高等学校)
    遠山紗矢香 (静岡大学)
    学習者の知識の活用を促すには,学習者が深い理解に至ることが重要だと考えられている.そこで本研究では複素数平面の証明問題を解決することを通じて複素数平面の理解を促すことを目指した協調学習型の授業を構築し,授業後の生徒の解答と授業中の生徒の発話から理解過程を分析した.その結果,生徒は「長さ」や「回転」等の日常生活になじみ深いことばと複素数平面の概念とを徐々に結びつけながら問題解決を進めていたことが示された.
  • P2-26
    武富拓也 (明星大学)
    本稿は,複数の実践共同体(community of practice,以下CoP)の関係構築のあり方が開発されたアプリケーション(以下アプリ)の表現にどのように影響しているかについて,大学のPBL(Project based learning)授業を研究対象とし分析,考察を行った.複数のCoPの関係構築のあり方と関係の変化によって,アプリも変化したことを確認している.
  • P2-31
    西堀遥輝 (静岡大学大学院 総合科学技術研究科 情報学専攻)
    竹内勇剛 (静岡大学創造科学技術大学院)
    P-Q間のツンデレインタラクション(TDI)にてPがQに対して敵対的態度を表明したりする場合(ツン)と,PがQに対して好意的態度を表明したりする場合(デレ)の背反する2面が存在する.しかしTDIがどのようなメカニズムのもとで2者間のインタラクションを成立させているのかこれまでの議論で明らかになっていない.そこで本研究はTDIの参与者間の内部状態とその変化の過程をコンピュータシミュレーションを通して検証することで,TDIのモデル化を行う.
  • P2-32
    稲葉みどり (愛知教育大学)
    大学の授業におけるグループ活動の教育的効果を探るために、学生が課題達成の過程でどのような相互交流を行ったかについて、協同学習の基本的要素「積極的相互交流」、「肯定的相互依存」、「個人の2つの責任」、「社会的スキルの促進」、「活動の振り返り」に着目して分析した。資料は、授業後に実施した振り返りの自己評価の回答である。結果を踏まえ、グループ活動の活性化に教師はどのように介入していくかが課題となった。
  • P2-33
    山田陽平 (愛知学泉大学)
    相田優希 (岐阜県立岐阜各務野高等学校)
    本研究では,けん玉の技の習得過程を一人称の視点から観察して分析した.学習者は「ふり剣」練習中の身体感覚や問題意識を発話し,その言葉の内容を分析した.43日間の練習によって成功率は50%から100%まで上昇した.練習を開始時は玉に剣を刺すことばかりに注目していたが,次第に膝や手の動きへ,足と床の接触,指と剣の接触など身体の詳細な部位への意識が増加した.さらに膝と玉の連携,頭部と玉の連携,身体全体へと意識が向くようになった.
  • P2-38
    髙木幸子 (常磐大学人間科学部コミュニケーション学科)
    坂本暁彦 (東京電機大学理工学部共通教育群)
    対格WH語を伴う修辞疑問文では発話時に聞き手を非難する解釈が生じうる.非難の解釈には,指示的解釈と非指示的解釈の2種類があるとされ,それぞれに対して異なる統語・韻律構造が想定できる.当該構造から,指示的解釈ではWH語に,非指示的解釈では動詞に強調アクセントが置かれるとの予測が成り立ち,その妥当性が検証されてきた.本研究ではさらに,上記のように予測される音声情報と視線情報を同時に呈示した場合の聞き手による指示性解釈の変化を検証した.
  • P2-44
    馬田一郎 (株式会社KDDI総合研究所)
    伊集院幸輝 (産業技術総合研究所)
    加藤恒夫 (同志社大学)
    山本誠一 (同志社大学)
    発話ターン制御に注視行動が果たす機能について、発話の基盤化アクト毎に注視行動の分析を行った。言語能力が与える影響を詳細に比較する目的で、母語3人対話と第2言語3人対話の注視行動を比較した結果、両言語条件に共通してack 発話では現話者から次話者への注視量は他の基盤化アクトに比べ低くなることが観察された。これは ack 発話では、基盤化だけを行いそれ以外の新規情報を提示しないため、現話者の次話者の選択権限が低くなるためと考えられる。
  • P2-45
    田中伸之輔 (筑波大学 人間系)
    原田悦子 (筑波大学人間系)
    須藤智 (静岡大学)
    最新式冷蔵庫を高齢者居住家庭(独居,夫婦のみ,3世代同居世帯)に設置し,3か月間にわたって継続利用する様子を観察する家庭訪問調査を行った.その結果,冷蔵庫という極めて単純な人工物であっても利用困難が生じうることが示された.加えて,新しい冷蔵庫と利用者間の相互作用は家族構成間で異なっており,その差異は「家の中」の人や人工物が構成する,社会-技術的アレンジメントに立ち現れていることが示された.
  • P2-46
    下條志厳 (立命館大学総合心理学部)
    林勇吾 (立命館大学総合心理学部)
    本研究では,knowledge awareness toolsとして知られているコンセプトマップを用いた協同学習におけるターンテイキングと個人・ペアにおけるパフォーマンスとの関係性を検討することを目的とした.そこで,話者交替の回数と個人間のパフォーマンスとペア内のパフォーマンス差との相関分析を行った.その結果,それらの変数間には有意な相関が認められなかったが,後者における差が大きい場合負の相関の傾向がみられた.
  • P2-47
    其田憲明 (東京電機大学大学院)
    高橋達二 (東京電機大学 理工学部)
    本論文では, Risk-sensitive Satisficing (RS)とRSを用いた満足化と記録共有による対抗模倣について, goal-setting theoryとの比較を行うことで人間の学習との関連性を把握することを目的とする. バンディットタスクを用いた確率的なノイズと疎な間隔での情報共有について検証を行なった結果, RSとRSによる対抗模倣にはgoal-setting theoryとの共通する点が見られた.
  • P2-49
    鶴島彰 (セコム株式会社 IS研究所)
    反応閾値モデルとソーシャルフォースモデルを組み合わせたマルチエージェント・シミュレーションによって、地震避難における「逃げる」と「留まる」の選択が織りなす空間パターンの創発現象に対して、合理的思考、認知バイアス、物理条件の三要素が与える影響について分析した。さらに合理的に振る舞うエージェントの割合を変化させることで,合理的思考の影響について分析した.
  • P2-56
    福永征夫 (アブダクション研究会)
    デカルトは難問を,できるだけ多くの小部分に分割することを説いて,要素還元主義という領域学の方法論を確立したが,分割した部分を全体としてまとめる広域学の方法を見出すには至らなかった. 近現代を通じて乗り越えることのできなかったアポリアに挑む道は, 自然や生命・社会の系が相補的なベクトルを持つことに立脚して, 領域学による知識・行動と広域学による知識・行動を,より普遍的な知識・行動に融合する知の統合基盤を確立することである.
  • P2-61
    阿部慶賀 (岐阜聖徳学園大学)
    触覚プライミング研究では直前に触れた物の手触りによって、その後の協力ゲーム課題での行動に変化が生じることが報告されている。本研究ではこの効果が拡張された身体への擬似的な触覚刺激であっても生じるのかを明らかにする。具体的には,PC上のマウスポインタを通して擬似的な触覚体験を提示し、その後の協力ゲーム課題での行動を比較した。その結果、提示した刺激の種類によって協力行動の表れやすさが異なることが明らかになった。

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