研究分野
研究法・統計
-
O-1-1本研究では.より極端な,よりは高い確率を情報として価値があるとみなすという,“明確な予測の探求原理”に対する情報理論的解釈の妥当性を検討することである.具体的には,近年の確率と結果の負の相関に関する研究成果を踏まえ,同じ確率値であってもその確率が指し示す結果の大きさで確率値に対する情報価がどう変化するかを検討した.分析の結果,結果の大きさに応じて確率表現の情報価に対する評価は変動し,その変動パターンは情報理論的な分析と一致していた.
-
O-6-3人は運動からそれを生成する系の生物性などを知覚できる。しかし、どのような運動がそうした生物性知覚と関連するのか未解明な点が多い。本研究では、生物性や意図性等の運動知覚を検討する枠組みとして、相互作用する2 点運動を生成するベクトル自己回帰(VAR)モデルを提案する。VARモデルの主要な統計量の一つであるグレンジャー因果を統制した時系列を生成する方法を開発するため、本稿では 4 変量 VARモデルの数理を解析した。
-
P-1-26本研究では,複数名による創造活動において生じる相互作用過程を可視化・定量化する解析を提案し,有用性を実際のデータを対象に検討した.提案手法は,交差再帰定量化解析と呼ばれる,力学系の非線形時系列解析である.洞察問題やアイデア生成課題、絵画制作場面を対象に検討を行った結果,提案手法により,1)創作者間の潜在的な相互作用過程を抽出出来る可能性,2)フェイズ間の変化を直接比較出来る可能性,3)多様な場面を対象に適用出来る可能性,が示唆された.
-
P-1-51A単語類似度の知覚が単語を提示する順序に影響される現象(順序効果)を説明するため,文脈に対応する部分空間を反映した新たな単語分散表現のモデルを提案する.実験データを用いて部分空間の違いが非対称な類似度評価をもたらすか否か検証する.
-
P-2-5A本研究ではTemporal segmentationの手法に基づき、時系列データの眼球運動を複数のタイミングに分割して解析するといった新たな動的眼球運動の分析方法を提案した。提案方法の妥当性を検証するために、顔の印象を評価する実験を実施した。その結果、眼球運動は異なるタイミングで異なる観察傾向を示した。この分析方法は、時系列データと固定値データの関係を解析する際に広範な応用が可能であり、将来的に多くの分野で活用されることが期待できる。
-
P-2-60少子化の原因を探るためのシミュレーションモデルを提案する。経済的事情ではなく、より精神的な面に焦点を当てる。年齢による価値の変化をロジスティック分布を使って表現する。対数正規分布を仮定した同性同士および異性中心のコミュニティ、またべき分布を仮定する恋愛対象の集団を仮定し、同性コミュニティにおいて自己の能力を磨き、異性コミュニティにおいて多数の異性を知り、恋愛対象の集団におけるマッチングに影響を与えるモデルを提案した。
-
P-3-5定性調査やユーザビリティテストで用いられているRetrospective Think-Aloud法には,十分な発話量が得られなかったり記憶の正確な想起が難しかったりするなどの問題がある.本研究ではこれらの問題を解決するために,Retrospective Think-Aloud法の実施時に提示するタスク遂行時の記録情報に誤情報を混入する方法を提案する.これにより,発話量の増加やより効果的な記憶の想起の実現を目指す.