研究分野別一覧
人とコンピュータのインタフェース
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OS04-4公募発表大学生と教職員とがコミュニティを形作り,理解を重視することを求めながら継続的に自分達の学習環境デザインの改善を実践することにより,学生のさまざまな能力を身に付けるだけでなく,集団的認知責任が向上する可能性がある.ネットワーク分析の手法を搭載した電子掲示板を開発し,現実の学習環境デザインの改善実践で試用することにより,その効果を検討する.
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OS08-5公募発表我々は視覚的情報を用いて身体のメンタルモデルを変化させ,痛みの知覚にどのような影響があるかを観察した.いくつかの先行研究は,対象が自分の体の一部であるという感覚である身体所有感が痛み知覚に重要であると主張している.本研究では,Mixed Reality技術を用い,参加者の前腕の透明度を操作し,身体のメンタルモデルおよび身体所有感の痛み知覚への影響を検討した.実験の結果,前腕に感じる「実体のなさ」の増加が痛みの知覚を減少させていた.
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OS09-4公募発表本研究では、ユーザー自身の意思によって変化する発話に対応できる人狼ロボットを実装し、制限が少ない自由会話をできる多人数会話システムを構築した。本システムを用いてロボットの3種類の視線に対する印象評価を行った。その結果によって、人間プレイヤーから目を逸らす視線行動が人間プレイヤーとの友好度を下がることに至る傾向を確認できた。
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OS12-7公募発表回想法の問題として個人間での効果の差異が指摘されている.この問題を回避しつつ,個人の感情を統制する回想支援を実現するため,認知アーキテクチャACT-Rによる自伝的記憶のモデルに生理指標を組み入れた写真スライドショーシステムを開発している.本報告では,本システムによる回想支援に対する個人傾向と心理的状態との関連を検討する.回想法の実施前後で心理的状態の変動を分析し,モデルによる回想支援の効用と課題を明らかにする.
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OS14-5公募発表スマートフォンを観光に使用することは、画面に気を取られて重要なものを見落とし、結果として観光品質を下ける可能性がある。また、スマートフォン使用時における事故も年々増加している。一方、ツアーガイド無しで、外国観光者や初観光者が伝説や物語を楽しむことのは難しい。そこで、我々は、スマートフォンを黒子として使い、ウエアラブルデバイスにガイド役をさせるような仕組みが有効であると考え、そのような観光案内システムの設計について述べる。
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O1-2人間とのコミュニケーションを目的としたロボットが,我々の日常生活空間に急速に普及しつつある.我々はこれらのロボットを「何者」と認識しているのであろうか.本研究ではこの問いに対して,ロボットが日常生活空間に普及することで起こりうる状況を想定した「日常的モラルジレンマ課題」を提案した.本稿では,この日常的モラルジレンマ課題によって,ユーザがロボットおよびその設計者,製造者,使用者をどのように認識しているのかについての調査結果を報告する.
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P1-3This research aims to develop a system based on ACT-R cognitive architecture to prevent rumination. The proposed system consists of two sub-systems: data collection sub-system and distraction sub-system. The former collects searching data immediately after the individual visits a website. The latter includes an ACT-R cognitive model that utilizes such data as well as physiological data directly from the individual to predict rumination while searching through websites. In addition to predicting rumination, it provides an implicit intervention for rumination based on a concept of nudge. While a product image on the screen displays on the screen, after rumination is detected, the system changes the image to mildly intervene not to keep ruminating.
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P1-6個人の共感力を測るEQ(Empathy Quotient)に着目し,それと関連する共感的行動を分析した.共感的行動を引き出す要素としてVRによって導入される身体性も検討した.課題は2人のAgent(Ag1, Ag2)と行うキャッチボールゲームを改変し,Ag1とAg2が参加者とAg1に均等に投げる条件,Ag2が参加者のみに投げる条件を設定した.結果,高EQの参加者はAg1を排斥する傾向があったが,この傾向は身体性の導入によって軽減した.
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P1-7観光行動のひとつである「まちあるき」のような,地図を手にしながらその土地を自由に探索する場面を対象として,紙地図条件とスマホ地図条件の探索行動(経路,距離など),参加者ペアの会話,地図や探索に関する主観的評価,探索の記憶と空間認知(マップスケッチ課題)にどのような違いがあるのかを検討した.その結果,地図メディアによって探索行動が大きく異なっており,紙地図はより豊かな共同行為としての探索を促すことが明らかになった.
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P1-8本稿では,スマートフォン上で誤入力の起こりにくいパスワードを生成することを目標とし,先行研究により誤入力が少ないと予想される「左右に何度も操作指が行き来しない」パスワードを試作し,その有効性を評価した.その結果,試作したパスワードが,左右に操作指が行き来するパスワード,ランダムな文字列で作成したパスワードよりも誤入力数,入力時間,ユーザの入力しやすさの点で優れたパスワードであることを確認した.
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P1-15本研究は,ユーザがアプリケーションを使用する場面を考え,その時行われるメンタルモデルの修正を検討する.実験で,参加者に同じ機能を持つが機能構造が異なる2つの家計簿アプリを使用させることで,メンタルモデルの修正を行わせる.その後,カードソーティング課題により,メンタルモデルを測定し,その修正の程度を定量的に分析する.また,アプリ操作中のヒューマンエラーを分析し,ヒューマンエラーとメンタルモデルの修正がどう関連するかを検討する.
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P1-16機械学習技術の発展に伴い,人工エージェントと人間との協働の実現が期待されている.協働では参加するメンバ間の相互理解が重要となる.Fukuchi et al.が提案したPublicSelfは,エージェントの目標を人に伝達する動きであるlegible motionを生成することができ, 本研究では情報の非対称性が発生する場面での観測者への影響を検証する実験を行った.結果,人がエージェントの目標を推測する際の精度を向上できることが確認できた.
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P2-17本研究の目的は,「自分以外の他者たちがインタラクションに従事していること」に対する人々の観察可能性を検討することである.オブジェクト間の点滅が異なる条件の間隙通過実験とアンケートを実施した.実験・アンケート結果に対して分析を行った.結果より,点滅条件に対してオブジェクト間がコミュニケーションしているか見なすか否かに協力者によって異なること,そしてその違いによって,間隙通過判断に対して点滅条件が与える影響に違いが生じる可能性が示唆された.
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P2-18本研究では、GUI操作において操作対象の表示属性が自己帰属感に与える影響について検討した。マウスの動きに対応する表示属性が「カーソルの動き」以外の場合の自己帰属感を検証するため、操作対象のオブジェクトの「大きさ」が変化するシステムを用い、当該オブジェクトを特定する実験を行った。得られた実験結果について分析を行った結果、操作による特定はなされていたが、自己帰属感そのものは希薄であることがわかった。
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P2-19情報機器インタフェースにおける階層的メニュー構造の理解が,内容親和性,および年齢群によりどのように異なるかを明らかにするため,認知地図の形成・利用という観点から検討を行った.高齢者と若年者を対象に,メニュー構造が階層化された情報システムの操作後,機器操作手順を他者に説明する説明課題,メニューに関する認知地図形成の程度を明らかにするためのカード分類課題を実施した.課題成績,発話内容の分析をもとに,考察を行う.
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P2-45最新式冷蔵庫を高齢者居住家庭(独居,夫婦のみ,3世代同居世帯)に設置し,3か月間にわたって継続利用する様子を観察する家庭訪問調査を行った.その結果,冷蔵庫という極めて単純な人工物であっても利用困難が生じうることが示された.加えて,新しい冷蔵庫と利用者間の相互作用は家族構成間で異なっており,その差異は「家の中」の人や人工物が構成する,社会-技術的アレンジメントに立ち現れていることが示された.
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P2-46本研究では,knowledge awareness toolsとして知られているコンセプトマップを用いた協同学習におけるターンテイキングと個人・ペアにおけるパフォーマンスとの関係性を検討することを目的とした.そこで,話者交替の回数と個人間のパフォーマンスとペア内のパフォーマンス差との相関分析を行った.その結果,それらの変数間には有意な相関が認められなかったが,後者における差が大きい場合負の相関の傾向がみられた.
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P2-54「考え方」の研究において、Webアプリケーションとして実装した文章やプログラム・コードのジグソー・パズルを題材に、見て並べ替えるUIと聞いて並べ替えるUIとでプレイヤーの考え方が異なるかどうかを比較するとき、2つのUIが備えるべき要件を論ずる。考え方・解き方の違いを比較するためには、測定できるデータから比較したい事象を検出できるようにUIを設計・実装する必要がある。