研究分野
運動
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O-2-4本研究では、他者の指差し行動の解釈の困難さについて、視点の違いという従来の研究で示されてきた要因に加えて、運動の主体性という観点から検討した。一人称視点と三人称視点において、自己運動と他者運動の指差し行動から指差し位置を推定する課題を行ったところ、どちらの視点でも自己運動時の推定がより安定しており、視点によって正確性が異なった。つまり、指差しコミュニケーションの困難さが複合的な要因から生じていることが示唆された。
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O-6-2観察者が観察対象に対して生き物らしさを知覚(アニマシー知覚)の先行研究では,生物性のみならず,意図性や自律性に関する評定も併せて検討されることが多い.しかし,これらの概念の関係は明確ではない.本研究では実験において複数物体の動きを系統的に生成し,生物性・意図性・自律性・随伴性の概念の相互関係を検討した.その結果,グレンジャー因果量と自己共分散比との相関関係の組み合わせから,生物性の評定は他の3つの概念の複合概念である可能性が示唆された.
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O-6-3人は運動からそれを生成する系の生物性などを知覚できる。しかし、どのような運動がそうした生物性知覚と関連するのか未解明な点が多い。本研究では、生物性や意図性等の運動知覚を検討する枠組みとして、相互作用する2 点運動を生成するベクトル自己回帰(VAR)モデルを提案する。VARモデルの主要な統計量の一つであるグレンジャー因果を統制した時系列を生成する方法を開発するため、本稿では 4 変量 VARモデルの数理を解析した。
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P-1-1本研究は,動作中の認知的な発話行為により知覚対象を弁別することが,身体動作に及ぼす影響について前頭前野の脳活動に注目し,Go/No-go課題を用いて実証的検証を行った.結果から,認知的な発話行為による知覚対象の弁別によって,身体動作の反応時間が遅くなることが明らかとなった.また,認知的発話が前頭局部の脳活動の賦活と関連していることが示され,動作中の言語使用によって動作の反応に影響を及ぼす可能性が示唆された.
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P-1-8A本研究は,利き手の拘束が,利き手側に持ち手のある物体の長期記憶に与える影響を検証した.実験の結果,右利きの参加者では,利き手拘束条件において,利き手側に持ち手のある物体が,非利き手側に持ち手のある物体よりも多く想起できることが示された.これは不十分な手の拘束によるものだと考えられ,運動による記憶干渉効果を検証する実験において,適切な運動妨害や認知負荷を与えることの重要性について考察した.
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P-1-27A本研究の目的は,身体感覚の媒介効果に着目して,ダンスをすること自体が不安および抑うつを軽減するメカニズムを明らかにすることである.参加者はダンス動画を見ながら踊る条件 (実施群) と,ダンス動画を視聴するのみの条件 (視聴のみ群) に無作為に割り当てられ,約15分の介入が行われた.その結果,ダンスをすること自体が不安および抑うつを軽減し,そのメカニズムとして身体感覚のひとつである身体感覚受容感が媒介している可能性が示唆された.
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P-1-44A先行研究では実験室実験から,不均一な役割分担を伴う集団協調で状況に応じた介入判断と調整を行う役割の重要性が示唆されている.本研究では現場応用として,3 on 3バスケットボールを題材に撮影と計測を行い,大学チームでオフェンスにおける当該役割の動きを助言した.結果,助言後にその役割が求められる選手と相手ディフェンスとの距離が相対的に大きい値をとる頻度が高くなり,遂行の基盤となるスペーシングが体現された.
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P-1-60本研究は、バレーボール経験者が直面するプレッシャー状況に対する、類推学習の有効性について分析した.実験参加者はバレーボールを3年間以上プレーしており、且つサーブレシーブを苦手としている高校生18名とし、類推学習群と明示的学習群へ振り分け、サーブレシーブ練習を6回行った.その結果、両群共にストレステストでパフォーマンスが低下しなかったため、類推学習の効果により、プレッシャー下でのパフォーマンスが維持できたとは言えない.
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P-2-6音楽ライブにおいて,観客の身体運動が同期するか否かを検討した.ロック調の楽曲,バラード調の曲調の異なる2楽曲において,小型携帯端末の加速度センサを使用し,音楽ライブ鑑賞中の観客27名の身体運動を計測した.全観客の身体運動時系列平均と観客個人の身体運動時系列平均を比較すると,観客はいずれの楽曲でも,同期傾向を示した.観客は曲調によらず,音楽的特徴に正確かつ即時に応答することで同期する可能性が示された.
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P-2-10A「かっこよさ」を評価対象にしているパフォーマンスでは、しばしば観客が歓声を上げることや、「かっこいい」パフォーマーにつられて観客も音楽のリズムをとることがある。これらの行為に自覚があるとは限らないことから、「かっこよさ」とのちに解釈する情報を知覚した段階で、動作レベルの身体反応が起きている可能性を検討する。パフォーマンス動画を視聴する実験参加者の動作を計測したが、現状分析方法に課題が残っている。
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P-2-11ヒトは外界からの視覚情報に基づいて姿勢を制御している. 本研究ではスパイラルオプティックフローを用いて,視覚情報によって生じる頭部傾斜が無意識でも生じるかについて検討した. その結果,頭部は視覚刺激の回転方向と同方向に傾くということが判明した. 頭部傾斜は視覚刺激の回転を知覚していない場合でも生じており,視覚情報が姿勢応答を無意識のうちに引き起こしていることを示唆している.
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P-2-19動物の運動は身体に備わる固有の器官の運動により実現される. しかし動物の群れ研究おいて, 個体は身体を無視した質点として解析, モデル化されてきた. 我々は最近, 歩行者集団における個々の歩行ステップと肩の回転いう身体パーツレベルの運動に着目し, 集団の空間的構造形成との関係を明らかにした. 本研究では, 肩の回転運動を集団の構造形成の時間発展の観点からより詳細な解析を行い, 構造脆弱性との関係を議論する.
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P-2-25ダンサーが音楽の拍に対して身体の動きをどのように合わせているかを明らかにするために,クラシックバレエの4種類の基本動作について,ダンサーの身体動作と音楽の拍(メトロノーム音)との時間的な関係性を分析した.その結果,多くのダンサーに共通して拍音と同期した運動特徴点がある一方で必ずしもすべてのダンサーが同じ特徴点と同期していないこと,動作の違いによって拍音と同期させる特徴点が異なることが明らかになった.
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P-2-59A熟達ダンサーの美しい動作はどのような動作なのだろうか.本研究は動作軌跡が重視されるラテンダンスを対象に,熟達ダンサーの動作特徴の同定を目的として定量的検討を行った.熟達ダンサーと非熟達ダンサーとの動作を比較した結果,前者はHeelと他の部位を左右方向へ巧みに協調させながら,主要動作部であるHipの軌跡を描いていた.一方,Hipの軌跡の対称性については,熟達者の中でも左右対称/著しく非対称の2方向に分岐する可能性が示唆された.
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P-3-36A現在,対面状況と共に遠隔対話ツールを利用する「ハイブリッド空間」の利用が一般化してきているが,こうした新たな空間における指示詞使用についてはあまり調べられていない.本実験では,対面状況とハイブリッド状況でそれぞれ家具が配置された部屋の図を再現する課題を参加者に行ってもらい,指示詞産出頻度を比較した.結果,対面状況では「こ系」指示詞が多く,ハイブリッド状況では「そ系」指示詞が多く使用された.
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P-3-38ASD高リスク児が手指微細調整運動を苦手とすることに着目し図形描画における時系列筆跡データからASD識別特徴量を抽出した。LSTMを用いて筆圧、ペンの傾き、速度などの時系列データから特徴量を抽出し、従来の検査結果を目的変数としてASD分類モデルを作成した。その結果、高い識別率を示した。ASD低リスク児との乖離度をDTW距離を利用して表現することで、ASD高リスク児を識別することが可能であることが示唆された。
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P-3-39A本研究では,集中線が球の運動速度の予測に与える影響,加えて,集中線が示唆する方向と球の方向の差による影響の差を調べた.参加者は刺激を見て,絵に描かれた球の運動速度を予測し,球が障害物にぶつかるまでの時間をボタン押しにより答えた.結果として,集中線が付加された場合に運動速度が速く知覚されること,集中線が示唆する方向と物体の運動方向が一致する場合はより速く知覚されることが示唆された.
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P-3-50舞踊の動きの特徴の一つである全身を滑らかに連動させる動かし方に,身体調整法の動き方を加え,ストレッチや,ポーズやフォームのあるヨーガ等の動きとも異なる,「全身連動性ムーブメント・アプローチ」を作成し適用を試みた.介入前後で空間内移動範囲が拡大し動きの自由度が高まった事や,動感に高まりが生じ,身体的に強張りが取れゆるみを確保できた事で,演者のパフォーマンスは向上し,空間表現が楽に出来るようになったことが示唆された.
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P-3-55現在のASDスクリーニングは定性的なデータだけに基づいて判断しているため、効率性に限界があると指摘されている。そこで本論文では、定量的データを用いて定性的基準に基づいた診断結果を予測する方法を提案する。結果として、「片足立ち」という限定的な状況において、本論文で作成した特徴量が先行研究で挙げられた特徴量より効果的である事が分かった。最後に、なぜこのような結果になったのかを議論し、今後の展望について述べる。