研究分野

学習

  • OS-2-2-3
    公募発表
    長田 尚子 (立命館大学)
    本研究は,絵画教室で色鉛筆による植物の写実的描画を始めた入門者による一人称研究である.入門者が自らの作品と指導者のコメントをまとめていた制作メモにもとづくエスノグラフィから,描画実践を通じて立ち上がってくる意味と指導者が持つ創造性について理解を深める過程を考察する.芸術分野で行われてきた制約の緩和や創造促進的効果等に関する先行研究の知見を補完できるものとして,当事者の視点が持つ可能性を議論する.
  • O-1-4
    寺尾 敦 (青山学院大学社会情報学部)
    統計学の入門講義を履修している68名の学生が,2週の授業にわたって確率の基礎とベイズの定理を学習し,基本的なベイズ課題と3囚人問題に取り組んだ.基本的なベイズ課題を解決できる学習者にとっても,3囚人問題の解決は難しかった.特に,問題文から尤度に関する情報を読み取ることに大きな困難があった.尤度情報を理解し,正しい問題表象を構築できれば,正解が得られる可能性は高い.
  • P-1-5
    廣田 章光 (近畿大学 経営学部/デザイン・クリエイティブ研究所)
    空間近接、遠方探索、対話促進の要件を備えた場を設定し、その場が「遠方探索」が実現することを確認した。そして対話によって生成される情報について、「今まで気づかなかった」5タイプの情報に対して、①有用情報の獲得との関連、②有用情報の獲得にする開発者の対話時の「態度」、「状況」との関連について調査を実施した。その結果、開発者がそれまで気づかなかった(プロトタイプの)「価値」および、「提案先」の創造について有効であることが確認された。
  • P-1-9
    尾関 智恵 (岐阜大学)
    小笠原 秀美 (中京大学)
    毛利 哲也 (岐阜大学)
    数独は代表的な制約充足問題の一つである. 各マス目で候補となる値を探索的に確定させて解いていく際,人は網羅的に探索するわけではなく,部分的回答方法を用いた「解き筋」と呼ばれる概念(解き方の癖)が現れることがわかっている.本研究では,解き筋がどのように発生し,繰り返し練習する過程でパフォーマンスを向上させていくような熟達化過程にどのように影響を与えるのかを参加者1名分の学習データから追跡を試みる.
  • P-1-10
    川島 和流 (米子工業高等専門学校)
    林 侑輝 (米子工業高等専門学校)
    対人コミュニケーションにおいて、第一印象はその後の人間関係に大きな影響を及ぼすが、既存の会話練習システムはビジネスシーン向けのものが多い。本研究では、日常会話の場面で第一印象の改善を目的とした会話練習システムを提案する。人間の「話し方」に着目し、「抑揚」、「話す速さ」、「間」、「母音の明瞭性」の4観点から評価を行う。結果はユーザにフィードバックし、繰り返し会話の練習をしてもらうことで、第一印象の改善を図る。
  • P-1-17A
    金子 祐二 (東北大学大学院教育学研究科)
    本研究は,網膜色素変性症患者の視野狭窄をリアルタイムで再現するARシステムを開発し,その有効性を評価するものである.ARヘッドセットとステレオカメラを用いて視野狭窄シミュレーションを実現した.主観的視覚的体験はボトムアップ的な知覚とトップダウン的な予測が統合されたものであると考えられ,主観的視覚的体験の再現には両者の考慮が必要であろう.視覚再現性の精度,処理速度向上,ユーザビリティーなど,今後の改良点について議論する.
  • P-1-20
    劉 栓栓 ((研究実施当時)筑波大学)
    緒方 思源 (兵庫教育大学)
    本稿では,21世紀型の美術鑑賞教育の在り方に着目し,まず美術鑑賞における省察的思考の育成の重要性について検討する.次に,文献調査に基づいて,対話型AIと画像生成AIという2種類の生成AIを美術鑑賞における省察的思考の育成に如何に活用できるのかについて理論的な検討を行う.さらに,生成AIが美術鑑賞の場面で提供できる情報と,人間的な他者から取得される視点とを比較することで,生成AIの活用が省察的思考の指導において持つ利点について検討する.
  • P-1-23
    畠田 優衣 (東京大学)
    岡田 猛 (東京大学)
    書において筆は定められた正しいやり方で扱い,文字は整えて書かなければならないという固定観念は日本の書教育でよく見られるものであり,これに捉われることは書の美的な側面への理解を妨げていると考えられる.そこで,本研究では探索行為を積極的に行いながら書作品を制作するワークショップを設計し,それを通して書に対する態度を変化させることができるという仮説の検証を試みる.
  • P-1-28
    大滝 文一 (静岡大学創造科学技術大学院)
    大島 律子 (静岡大学大学院総合科学技術研究科)
    大島 純 (静岡大学大学院総合科学技術研究科)
    本研究は,AIと人間の教員によるフィードバックに対する学生の認識を,信頼と学びのメタファの観点から検討した.スウェーデンの大学で大学生と大学院生を対象にフォーカス・グループ・インタビューを実施し,再帰的テーマティック分析を行った.結果から,生成AIは獲得メタファに基づく能力信頼を獲得し得るが,人間の教員は参加メタファに紐づく,関係性や時間軸を伴うコミュニケーション信頼を得ている観点を考察した.
  • P-1-33A
    西東 理花 (早稲田大学)
    堀田 浩司 (早稲田大学)
    関根 和生 (早稲田大学人間科学学術院 人間科学部)
    自分の手で自分自身の身体に触れる行為は,自己接触行動と呼ばれている。本研究は,自己接触行動が語彙検索を促進させるかについて検討した。実験参加者を統制群,自己接触群(課題中手で頬に触れてもらう群),抑制群(ジェスチャーができない群)に分け,語彙検索課題と再生課題を行った。その結果,自己接触行動は語彙検索を促進させることが明らかになったが,TOT 状態に陥った際には,自己接触行動は影響を及ぼしていないことが明らかになった。
  • P-1-36A
    新田 一洋 (青山学院大学)
    本研究では創作ダンスの創造場面における対話や環境などの観点から作品の主題がどのように創造されているか、ダンサーとして熟達していない非熟達者がどのような要因によって創造に主力として参加することができているのかを多層的に検討してきた。その結果、参加者たちは創作ダンスに取り組む共同体としての集合的な主体性(エージェンシー)を構成し、創造活動をしており、その営み自体が熟達者と非熟達者の相互行為を可能とし、創造性を促進させていることが示唆された。
  • P-1-40
    島田 英昭 (信州大学)
    長井 惇義 (信州大学)
    田中 江扶 (信州大学)
    本研究は,AI翻訳を用いた英作文プロセスを明らかにすることを目的とした.日本語話者の大学生12名に対して,AI翻訳が使える環境で自由英作文を求め,その操作ログを記録した.操作を分類した結果,英語習熟度にかかわらずAIが一定程度利用されること,英語上級者の方がAI利用が少なくAI利用が補助的であること等を明らかにした.最後に,ヘイズとフラワーのモデルを拡張し,AI利用の英作文プロセスをモデル化した.
  • P-1-43A
    竹田 琢 (青山学院大学国際マネジメント研究科 / 早稲田大学人間科学研究科)
    本研究では授業内グループワークにおける個人の意見を表明する活動を開始するやり方について,相互行為分析の方法を用いて検討した.その結果,話し合いを開始するまでに,1)話し合いの開始の提案と承諾,2)話題の限定,3)最初の話し手の決定が行われていた.学生は教員の合図後すぐには話し合いを開始できないこと,話し合いの準備に積極的だが最初の話し手になることには消極的であることが示唆された.
  • P-1-49
    奥田 祥司 (宝塚医療大学)
    後呂 智成 (紀和病院 リハビリテーション部)
    松㟢​ 由莉 (宝塚医療大学)
     学生は, 対象者が動くなかでどこを視ているのかを客観的に知るすべがなかった. そのため, 指導者から観察するポイントを教授されても実践することが難しくなっていた. そこで, 本研究は, フィードバックの違いによって観察視点の違いを明らかにすることで, 学生の動作観察を効率的に学習する方法を検討することを目的とした.
  • P-1-59
    村瀬 匠 (東京大学教育学研究科)
    清河 幸子 (東京大学大学院教育学研究科)
    本研究の目的は,探究的な学びの一場面である卒業論文指導において,問題設定の支援がどのように行われているかを明らかにすることである.博士課程を修了しており,過去に10名以上の学部生に問題設定の支援をしたことがある大学教員に対して半構造化インタビューを行った.インタビューを分析した結果,問題設定時に「興味」「先行研究」「問題」「既有知識」を対象とした支援が行われていることが明らかとなった.
  • P-1-60
    有江 風人 (金沢大学人間社会環境研究科地域創造学専攻教育支援開発学コース)
    伊丸岡 俊秀 (金沢工業大学情報フロンティア学部心理科学科)
    本研究は、バレーボール経験者が直面するプレッシャー状況に対する、類推学習の有効性について分析した.実験参加者はバレーボールを3年間以上プレーしており、且つサーブレシーブを苦手としている高校生18名とし、類推学習群と明示的学習群へ振り分け、サーブレシーブ練習を6回行った.その結果、両群共にストレステストでパフォーマンスが低下しなかったため、類推学習の効果により、プレッシャー下でのパフォーマンスが維持できたとは言えない.
  • P-1-63
    庄野 俊平 (横浜市立もえぎ野小学校)
     本研究では、実験における物質との相互作用から科学的知識が構築される過程を明らかにすることを目的とした。Pickering(1995)の「Mangle of Practice」の視点を援用し小学3年理科「磁石の性質」の実験場面の子どもと物質(磁石や缶)との相互作用を分析した。その結果、自らの科学的知識に反する「物質の抵抗」に対し、現象を再現しようという「子どもの適応」の中で、創発的に科学的知識が構築されることが明らかとなった。
  • P-1-66
    高橋 麻衣子 (早稲田大学 人間科学学術院)
    読書感想文の作成にかかわる心的活動を「読む」「思考する」「書く」のフェーズに分解し,各フェーズをICTの機能によって支援するプログラムを小中学生に対して実施した。プログラムの結果,参加者の読書感想文作成の,特に「書く(作文)」活動についての効力感が上昇した。「読む」「書く」を代替,補助するタブレット端末の機能は参加者に取り入れられやすかったのに対し,「思考する」を支援するマインドマップや生成AIの機能の活用は慎重である様子がみられた。
  • P-2-2A
    菅井 篤 (東京学芸大学大学院連合学校)
    本研究では,高大連携における学びの充実を目指して,高校生と大学生が協働するアクティブ・ラーニング実践に焦点を当てた。本実践では,協働して学び合う場を創り合い,対話活動を通じて相互に学びを深めていくことが目指された.本実践を通じて,学習者が学びのリスクを共に乗り越えながら,行動が変容していき,思考が広がっていったことが確認された.今後もこうした検討を重ねていき,さらに具体的な学習支援方法を探っていくことが目指される.
  • P-2-22A
    渡邊 智也 (京都大学,ベネッセ教育総合研究所)
    楠見 孝 (京都大学大学院教育学研究科)
    本研究は,物語の登場人物を演じる演劇体験のうち,物語を読んでどのような演技をするのか構想する「演技計画」を行うことの,他者の心的状態を推測する能力や共感への促進効果を検証した.大学生82名を対象とした実験の結果,物語を読んでその内容を要約した戯曲要約群と比較した演技計画の促進効果は見られなかった.一方で,演技計画群が経験した戯曲の物語への移入の強さは,視点取得能力の向上を促進することが示された.
  • P-2-28A
    松㟢​ 由莉 (宝塚医療大学)
    後呂 智成 (紀和病院 リハビリテーション部)
    奥田 祥司 (宝塚医療大学)
    作業療法士は対象者を評価する際に観察を用いることが多いが, 動きの中で対象者を観察することは難しい.熟練者の観察場面を見学しても, 熟練者がどこを視ているのかを明確にすることは難しく, 非熟練者にとって観察技術の修得は困難である. 本研究は, 非熟練者と熟練者の着目点の違いを明らかにすることで、熟練した作業療法士の視点をより効率的に修得できる方法を検討することを目的とした.
  • P-2-48A
    池原 優斗 (北海道大学)
    岡谷 基弘 (東京エレクトロン株式会社)
    宮原 克典 (北海道大学)
    半導体プロセスエンジニアにおける暗黙知、および、その習得・継承のプロセスの解明を目的とした予備的インタビュー調査について報告する。哲学や文化人類学の理論に基づいて、半導体プロセスエンジニアの暗黙知に関する仮説を「ドレイファスのモデルにおける規則としての物理的知識」、「モノが学習のための行為を形作る」、「様々な要素の影響を受けて形成されるモデル」という三つの論点に分けて提案する。
  • P-2-50
    川島 大輔 (文教大学大学院 言語文化研究科 言語文化専攻 博士後期課程)
    本研究は, 第二言語としての日本語学習者を対象としたものである. 日本語学習者が日本語漢字単語を視覚的に認知処理する際に, ふりがなが漢字の認知過程に与える影響を検討した. 主な要因はふりがなの有無, ふりがなの位置(上下), ふりがなの表記の種類(ひらがな, カタカナ)であった. その結果, ふりがなを要因とする主効果が認められず, 日本語漢字単語の処理にふりがなは影響がないことが明らかになった.
  • P-2-64
    眞崎 光司 (明治大学 国際日本学部)
    本研究は,「独学」で現代音楽の作曲家となったA氏のライフストーリーを分析することで,作曲学習における「独学」の可能性を探索し,長期間にわたって複数の実践・活動への参加と離脱を繰り返すインフォーマル学習としての「独学」の特徴を解明した.結果,A氏の「独学」過程は,作曲の学習とは関係の希薄な既存の物理的環境や既存の実践を次々に利活用・改変することで実現しており,学習環境のブリコラージュとして特徴づけられることが明らかになった.
  • P-3-13
    福田 大年 (札幌市立大学)
    本稿は,風景から動物を連想する「見立て観察」とその観察結果を他者に向けて表現する「仕立て作業」を組み合わせ開発したアイデア生成学習プログラム「まちなか動物園」の実践を解説する.まちなか動物園を複数回体験したデザイン初学者らの作品の特徴とその特徴の変化を概観し,デザイン初学者向け学習プログラムとしての可能性を考察した.その結果まちなか動物園は,既存の要素の収集と再構成の経験的な学習過程になる可能性が示唆された.
  • P-3-15
    高橋 達二 (東京電機大学)
    不確実性の下の環境探索と適切な行動の学習に関し、従来は最も適切な (環境から得られる報酬を最大化) 行動の獲得が評価される。しかし実世界課題では多くの場合、単位を取る (60点以上獲得)、黒字化する (損益を0以上に) などの目標の達成との関係で行動が評価される。そこで、バンディット問題において目標設定理論の予測 (具体的で高い目標がパフォーマンスを向上させる) が正しいかどうかを検証する。結果は、目標設定理論を弱く支持した。
  • P-3-19
    宮代 こずゑ (宇都宮大学共同教育学部)
    白戸 陽菜 (宇都宮大学卒業生)
    本研究は大学生を対象として,におい刺激の快-不快と,におい刺激を手掛かりとして想起された自伝的記憶の情動性の関連に焦点を当て,実験を行った.その結果,プルースト効果は見られなかったものの,5つのにおい刺激のうち,固形ハッカ,コーヒー豆,カレー粉,および制汗剤において,においがもたらす快感情が肯定的感情に関連した自伝的記憶の想起を引き起こしていたこと,すなわち気分一致効果の生起が示唆された.
  • P-3-22A
    澤田 和輝 (京都大学)
    石黒 千晶 (聖心女子大学)
    本研究では,科学博物館と美術館の2種のミュージアムで,メタ認知に焦点を当てたワークショップを企画し,参加者にどのような学びが生まれるかを検討した.その結果,参加者は自らの鑑賞を俯瞰し,その特徴や方法を理解し,鑑賞方法を制御する,いわば鑑賞のメタ認知を働かせ,多様な触発を経験していたことが示された.これらの結果は,複数のミュージアムを往還する経験が自らの鑑賞のあり方をメタ的に考える機会となり,触発を促す可能性を示唆している.
  • P-3-25
    渡邊 咲花 (立命館大学大学院人間科学研究科)
    林  勇吾 (立命館大学総合心理学部)
    下條 志厳 (立命館グローバル・イノベーション研究機構)
    生理的反応以外にも認知機能や行動などに変化が生じることがあり,生理的な反応とされてきた変化が認知的要因であるスキーマの影響を受けている可能性がある.本実験では,継続的なスキーマの活性化のため,連続して摂取可能な刺激として嗅覚刺激を使い,スキーマの活性化が認知機能に影響を与えるのかを検討した.その結果,嗅覚刺激によって刺激への反応時間が減少した.本研究では,嗅覚刺激がスキーマを活性化させ,関連した行動や精神状態が生じる可能性を示唆した.
  • P-3-27
    川原 名見 (東京学芸大学大学院連合学校教育学研究科)
    犬塚 美輪 (東京学芸大学)
    本研究では児童(n = 27)と書字指導者(n = 13)に分類課題とインタビューを実施し,文字の丁寧さの認識について分析した。分類課題では書字指導者と児童は一致した。インタビューでは,両者ともに丁寧さの判定に書字要素の「配列・配置」をよく使用していた。両者に有意な差がみられたのは「字形」であり,書字指導者は,画間の均整さなどをよく発語したが,児童は少なかった。書字要素の「字形」は児童には認知しづらいか記憶しづらい可能性が示唆された。
  • P-3-29
    大石 充希 (立命館大学大学院人間科学研究科)
    林  勇吾 (立命館大学総合心理学部)
    近年,長期記憶において瞳孔反応が課題に依存することが確認されている.しかし,この課題依存性の原因である検索の違い(ボトムアップとトップダウン)に関する検討は十分でない.本研究では両検索を促すことができるfan課題に着目し,トップダウン検索における情報量の多さに対する瞳孔反応を検討した.結果として,情報量の多さに対する認知負荷により瞳孔が散大した.今後は,ボトムアップ検索で検討された瞳孔散大を本研究手法から調べていく.
  • P-3-32
    松倉 悠 (電気通信大学大学院情報理工学研究科情報学専攻)
    荻野 峻輔 (電気通信大学大学院情報理工学研究科情報学専攻)
    坂本 真樹 (電気通信大学大学院情報理工学研究科情報学専攻)
    本研究では,嗅覚識別能力を向上させるための手段の一つとして,直感的に感性の機微を表現可能なオノマトペに着目する.「ラベンダーよりもややスッキリした香り」や「ふわっとした印象が強いバラの香り」のように,細やかな香りの表現が可能になり,嗅覚感覚を向上させる効果があると期待される.本発表では,よく似ているが微妙に異なる香りを対象とし,オノマトペを用いることで香り識別能力が向上するか確認する実験を行った結果について報告する.
  • P-3-34A
    佐々木 健矢 (静岡大学)
    森田 純哉 (静岡大学)
    近年ではSNS (Social Networking Service)上におけるフェイクニュースの拡散や意見の分極化などが問題視されている.一つの原因として,小さな閉じた社会での意見の偏りが挙げられる.本研究では,これをローカルエコーチェンバーと呼び,その性質を理解するため,IBLT (Instance Base Learning Theory)に基づいて,ローカルエコーチェンバーの形成と,フェイクニュース拡散のシミュレーションを行う.
  • P-3-35
    川﨑 貴子 (法政大学)
    田中 邦佳 (法政大学)
    本研究では,ベトナム語を母語とする日本語L2学習者が日本語の歯擦音をどのように区別して発話するのか,音響分析により調査した.その結果,学習者はCoGとF2の一方,または両方を用いて日本語の歯擦音を区別することが分かった.また学習者は日本語の ɕ とベトナム語の ʂ の区別を行っており,その区別は学習者により異なり,CoGを用いる学習者とF2を用いる学習者,そして両方を用いる学習者いることが分かった.
  • P-3-41
    黒田 航 (杏林大学医学部)
    Hierarchical Dirichlet Process (HDP) is a non-parametric version of Latent Dirichlet Allocation (LDA). HDP was used for unsupervised extraction of 1) constitutive patterns of English words (either in spelling or pronunciation) and 2) associative patterns between spellings and pronunciations in such a setting that words are “documents” and their character n-grams are “terms”, with distinction between continuous “regular” n-grams and discontinuous “skippy” n-grams. Results suggest regular n-grams allow extraction of morphemes, whereas skippy n-grams allow extraction of abstract patterns that rather capture rules of word-formation. The proposed method is language-independent, and therefore is applicable to any language in unsupervised manner.
  • P-3-43A
    原野 瑞希 (東京大学大学院教育学研究科)
    中野 優子 (東京大学大学院教育学研究科)
    岡田 猛 (東京大学)
    髙木 紀久子 (東京大学大学院総合文化研究科)
    近年,社会問題に関するSTEAM教育が多く実践されているが,一方で実践の枠組みは十分明確になっていない.本研究ではこうした実践で重視される想像と問題の自分ごと化がアートの創造活動によって促進されると考え検討を行った.実践の結果,環境問題における多様な利害関係者の視点や自然に対する人間活動の複雑な影響への注目, 自己の身体や感情に焦点を当てて思考することの有効性の認識, 創造的自己効力感の向上と創造性不安の軽減が見られた.