研究分野

相互作用

  • O-2-1
    細馬 宏通 (早稲田大学)
    ダイナミック・タッチは従来、個人によるものの形や重さの知覚に関わる動作として研究されてきた。しかし、ものを揺する動作は対面相互行為において視覚情報として相手に伝わり、ものの重さの表出となって立ち現れうる。本発表では、ダイナミック・タッチが発話の随伴動作となって表れ、重さを相互に評定しあう行為に関わる場面を分析した。その上で、個人内の認知に伴う動作は、相互行為に援用され、個人間に開かれうることを示した。
  • O-2-2
    清水 大地 (神戸大学)
    土田 修平 (お茶の水女子大学)
    大西 鮎美 (神戸大学)
    寺田 努 (神戸大学)
    塚本 昌彦 (神戸大学)
    過去,パフォーマーと観客間で生じる生理的同期の重要性は提案されてきたが,ダンスや音楽等のパフォーマンス場面については十分に検討されていない.我々はダンスバトルを企画し、現実のパフォーマンス時のダンサーと観客の心拍数を測定し,その同期を交差再帰定量化解析により検討した.結果,1)ダンサーと観客間に心拍同期が生じること、2)両者の社会的関係により,その程度が異なること、3)パフォーマンスの進行に伴い,その程度が変化すること,が示唆された.
  • O-5-1
    馬場 龍之介 (静岡大学)
    森田 純哉 (静岡大学)
    表情は他者とのコミュニケーションに欠かせないメディアである.特に,他者の表情の模倣は,相手の好感度を高め,共通認識の形成に寄与するとされる.本実験は,参加者が置かれる立場が変化するサイバーボール課題を通し,表情がエージェントと参加者の関係に与える影響を調査した.結果,他者の表情は物理的構成のまま認識されるのではなく,感情を伴って解釈されることが示唆された.また自身の表情によって相手の印象が変化する可能性も示唆された.
  • O-6-2
    細川 敦司 (北陸先端科学技術大学院大学)
    日髙 昇平 (北陸先端科学技術大学院大学)
    鳥居 拓馬 (東京電機大学)
    観察者が観察対象に対して生き物らしさを知覚(アニマシー知覚)の先行研究では,生物性のみならず,意図性や自律性に関する評定も併せて検討されることが多い.しかし,これらの概念の関係は明確ではない.本研究では実験において複数物体の動きを系統的に生成し,生物性・意図性・自律性・随伴性の概念の相互関係を検討した.その結果,グレンジャー因果量と自己共分散比との相関関係の組み合わせから,生物性の評定は他の3つの概念の複合概念である可能性が示唆された.
  • P-1-2
    松林 翔太 (名古屋大学)
    二宮 由樹 (名古屋大学)
    三輪 和久 (名古屋大学)
    寺井 仁 (近畿大学)
    交通におけるすれ違い状況において,相手からの注視時間の長さが,その相手にどれほど思いやりを感じるか,その動きをどれほど予測・説明できたかの各評定に与える影響を検証した。その結果,注視時間が長くなるほど思いやりは高く評定された。相手の行動に対する予測・説明に関しては,相手が道を譲ってくれた場合は注視時間が長くなるにつれて評定が高くなったが,相手が先に通過した場合は評定が低下した。
  • P-1-3
    千田 真緒 (千葉大学大学院)
    伝 康晴 (千葉大学)
    本稿では,日常会話場面において,スマホを持ち替えることがどのような相互行為の機能を果たしているのかを考察した.スマホの持ち替えは頻繁に行なわれるものではないが,持ち替え直後の行為としてジェスチャーや画面の共有がよく行なわれていることが分かった.スマホの持ち替えによって,関与や相互行為空間を調整していることが観察された.
  • P-1-23
    畠田 優衣 (東京大学)
    岡田 猛 (東京大学)
    書において筆は定められた正しいやり方で扱い,文字は整えて書かなければならないという固定観念は日本の書教育でよく見られるものであり,これに捉われることは書の美的な側面への理解を妨げていると考えられる.そこで,本研究では探索行為を積極的に行いながら書作品を制作するワークショップを設計し,それを通して書に対する態度を変化させることができるという仮説の検証を試みる.
  • P-1-26
    清水 大地 (神戸大学)
    岡田 猛 (東京大学)
    亀山 淳史郎 (株式会社SIGNIING)
    鷲尾 和彦 (株式会社SIGNIING)
    佐藤 悠 (フリーランス)
    本研究では,複数名による創造活動において生じる相互作用過程を可視化・定量化する解析を提案し,有用性を実際のデータを対象に検討した.提案手法は,交差再帰定量化解析と呼ばれる,力学系の非線形時系列解析である.洞察問題やアイデア生成課題、絵画制作場面を対象に検討を行った結果,提案手法により,1)創作者間の潜在的な相互作用過程を抽出出来る可能性,2)フェイズ間の変化を直接比較出来る可能性,3)多様な場面を対象に適用出来る可能性,が示唆された.
  • P-1-35A
    孔 令辰 (東京大学大学院総合文化研究科)
    寺澤 悠理 (慶應義塾大学文学部)
     本研究は呼吸と同期して大きさが変化する視覚刺激を提示し,その同期が呼吸の深さや視覚刺激の大きさに対する推定をどう変容させるかを検討した。同時に,感覚評価の変容の度合いと単感覚の精確性や統合失調型パーソナリティとの関係を調べた。その結果,呼吸を実際よりも小さく反映する視覚刺激によって,大きく息を吸う傾向はみられたが,その反対の影響はみられなかった。結果から,感覚間の相互影響に方向性があることが示唆されている。
  • P-1-36A
    新田 一洋 (青山学院大学)
    本研究では創作ダンスの創造場面における対話や環境などの観点から作品の主題がどのように創造されているか、ダンサーとして熟達していない非熟達者がどのような要因によって創造に主力として参加することができているのかを多層的に検討してきた。その結果、参加者たちは創作ダンスに取り組む共同体としての集合的な主体性(エージェンシー)を構成し、創造活動をしており、その営み自体が熟達者と非熟達者の相互行為を可能とし、創造性を促進させていることが示唆された。
  • P-1-41
    伊藤 崇 (北海道大学)
    電子テクノロジーにより,子どもが自分で自分の身体を計測すること可能となる.新型コロナウィルスの流行にともない,家庭での子どもの日常生活に検温実践が組み込まれた.7歳から9歳の子どものいる3つの家庭の生活を撮影した映像を観察したところ,検温が毎日のルーティンに組み込まれ,円滑に遂行されていた様子が見られた.具体的には,体温計や記録簿のある場所の身体化,および検温をめぐる親子の協働が観察された.
  • P-1-43A
    竹田 琢 (青山学院大学国際マネジメント研究科 / 早稲田大学人間科学研究科)
    本研究では授業内グループワークにおける個人の意見を表明する活動を開始するやり方について,相互行為分析の方法を用いて検討した.その結果,話し合いを開始するまでに,1)話し合いの開始の提案と承諾,2)話題の限定,3)最初の話し手の決定が行われていた.学生は教員の合図後すぐには話し合いを開始できないこと,話し合いの準備に積極的だが最初の話し手になることには消極的であることが示唆された.
  • P-1-44A
    市川 淳 (静岡大学)
    山田 雅敏 (常葉大学)
    藤井 慶輔 (名古屋大学)
    先行研究では実験室実験から,不均一な役割分担を伴う集団協調で状況に応じた介入判断と調整を行う役割の重要性が示唆されている.本研究では現場応用として,3 on 3バスケットボールを題材に撮影と計測を行い,大学チームでオフェンスにおける当該役割の動きを助言した.結果,助言後にその役割が求められる選手と相手ディフェンスとの距離が相対的に大きい値をとる頻度が高くなり,遂行の基盤となるスペーシングが体現された.
  • P-1-50A
    大髙 愛 (札幌学院大学心理学部臨床心理学科)
    ティッシュ配りの路上観察から、受け手に複数の行為選択が可能な状況において物の受け渡しがどのように達成されるかを分析し、視線や身体を向けるタイミングの調整が受け渡しの成否に関与していることを明らかにした。受け渡しの達成は第一に受け手候補の特定、第二に差し出し行為と受け取り行為の成立を経て実現するが、これは会話における隣接対の形成に似た形で進行し、二者間でコミュニケーション状況が維持されることが重要であることが示唆された。
  • P-1-53A
    安久 絵里子 (筑波大学)
    原田 悦子 (筑波大学,株式会社イデアラボ)
    澤田 知恭 (筑波大学大学院心理学学位プログラム)
    生活圏で利用されるロボットにきものを着せることにより,ユーザがロボットに対して抱く印象にどのような影響があるかを検討するため,オンラインによるビデオ評価実験を行った.その結果,きもの着装ロボットは通常ロボットに比べて踊りが上手であると評価された.またSD法による印象評価では,きもの着装ロボットは通常ロボットよりも幼いと評価されており,きもの自体の作り方によってロボットの見え方が変化する可能性も示唆された.
  • P-1-61
    安達 龍太郎 (京都工芸繊維大学)
    都丸 武宜 (京都工芸繊維大学)
    西山 雄大 (長岡技術科学大学)
    村上 久 (京都工芸繊維大学)
    人は歩いているとき,知らず知らずのうちに隣の人と足並みを揃えることが知られている.これは集団においても同様だろうか.従来,集団の歩行同期は,歩行者が一列に並んで同じ方向を歩く実験設定で調べられてきた.しかし,空間的に制限されていない,より現実に近い状況で歩行同期の有無や機能は不明である.本研究では,自由歩行する集団でも偶然以上に歩行同期が発生することが明らかになった.こうした歩行同期が集団において機能的利点をもたらすか否か議論する.
  • P-1-65A
    山縣 芽生 (同志社大学)
    高橋 英之 (大阪大学/国際電気通信基礎技術研究所)
    宮下 敬宏 (国際電気通信基礎技術研究所)
    本研究では,「他者とわかり合う」上で,従来注目されていた個体間の類似性ではなく,お互いがわかり合おうとするプロセスに注目した新しい実験課題を開発した.この課題は,2名の実験参加者が,表現者と観測者に分かれ,それぞれの相互作用によって,合意を得ることを目指すものである.本稿では,この課題を行ってた1事例を報告し,従来の類似性に注目したアプローチとは異なる「他者とわかり合う」プロセスに注目した新たな実験パラダイムの可能性について議論する.
  • P-2-9A
    多田 由彦 (中央大学)
    本研究は標準的な状態空間モデルにおいて戦略の突出とフォーカルポイントを定式化する. さらに本稿はプレイヤーたちに与えられる情報集合によってフォーカルポイントの候補が絞られた時, その絞られた中からどれが最も各人の利得を高めるのかについて共有知識となっている場合には, そのフォーカルポイントをプレイすることを証明した.
  • P-2-19
    都丸 武宜 (京都工芸繊維大学)
    竹花 隼 (京都工芸繊維大学)
    西山 雄大 (長岡技術科学大学)
    村上 久 (京都工芸繊維大学)
    動物の運動は身体に備わる固有の器官の運動により実現される. しかし動物の群れ研究おいて, 個体は身体を無視した質点として解析, モデル化されてきた. 我々は最近, 歩行者集団における個々の歩行ステップと肩の回転いう身体パーツレベルの運動に着目し, 集団の空間的構造形成との関係を明らかにした. 本研究では, 肩の回転運動を集団の構造形成の時間発展の観点からより詳細な解析を行い, 構造脆弱性との関係を議論する.
  • P-2-27
    木村 光来 (日本大学大学院総合基礎科学研究科)
    福田 聡子 (日本大学文理学部)
    大森 隆司 (日本大学文理学部)
    大澤 正彦 (日本大学文理学部)
    本研究では, ロボットの電源オフ状態がユーザーに与えるマイナスの印象を軽減する手法を検討する.初期検討として,停止した状態のエージェントをユーザーに見せないデザインとして,まずはバーチャルエージェントが消失するというデザインの有効性を検証した. 実験では, エージェントが目の前で停止する条件と,停止せずに消失する条件とで比較実験を行った.結果,両者に差は見られなかったが, いくつかの改善点が明らかになった.
  • P-2-44A
    土橋 一斗 (日本大学)
    中島 亮一 (京都大学)
    大澤 正彦 (日本大学文理学部)
    聴覚刺激が毎試行出力されている環境下で視覚刺激を判別するタスクにおいて,稀に新奇音が出力されると視覚刺激への反応が遅延する.本研究では音の出力元の外見を変えることにより,新奇音によるタスク遂行への妨害効果が異なるかを調査した.数字の偶奇判断タスクにおいて,ロボットの外見をしたスピーカーの場合では新奇音による妨害効果が引き起こされなかった.このことから,スピーカーの外見により音への印象が変化し,妨害効果の緩和が引き起こされたと考えられる.
  • P-2-52
    森 大河 (産業技術総合研究所)
    伝 康晴 (千葉大学)
    Kristiina Jokinen (産業技術総合研究所)
    本研究では,驚きや意外性を表す感情表出系感動詞「えっ」と「ええ」の談話機能を会話コーパスを用いて分析した.その結果,「えっ」は単独で質問として機能し,質問が後続する可能性が高いのに対し,「ええ」は主にフィードバックとして単独で使われやすいことがわかった.これらの結果から,「えっ」は受け取った情報と既存知識との間に不一致があることのみを示すのに対し,「ええ」はその情報が既存知識に組み込まれたことまでもを示すという情報処理モデルを提案した.
  • P-2-56
    別府 さおり (東京成徳大学)
    石原 章子 (筑波大学大学院)
    奥畑 志帆 (佛教大学)
    井上 知洋 (香港中文大学)
    大柳 俊夫 (札幌医科大学)
    岡崎 慎治 (筑波大学)
    問題解決課題(Crack-the-Code)を用いた実験を行い,プランニングの構成要素に基づく発話カテゴリーを用いて課題遂行中の自発的な動作の機能の特定と分類を試みた.動作は情報の特定や整理,探索空間の制限や評価といった機能を持ち,問題解決の一助となっていることが推察された.解答の正誤との関連は明確には見出されなかった.
  • P-2-60
    城 真範 (産総研)
    浅野 健一郎 (産総研)
    少子化の原因を探るためのシミュレーションモデルを提案する。経済的事情ではなく、より精神的な面に焦点を当てる。年齢による価値の変化をロジスティック分布を使って表現する。対数正規分布を仮定した同性同士および異性中心のコミュニティ、またべき分布を仮定する恋愛対象の集団を仮定し、同性コミュニティにおいて自己の能力を磨き、異性コミュニティにおいて多数の異性を知り、恋愛対象の集団におけるマッチングに影響を与えるモデルを提案した。
  • P-2-62A
    墨 泰我 (日本大学文理学部)
    飯田 愛結 (日本大学文理学部)
    長原 令旺 (日本大学大学院総合基礎科学研究科)
    保阪 靖人 (日本大学文理学部)
    森山 園子 (日本大学文理学部)
    大澤 正彦 (日本大学文理学部)
    著者らは意図を読むことができる大規模言語モデルを実現するために,大規模言語モデルと認知アーキテクチャを統合することを提案し,その有効性を示している.しかし,この研究では,プロンプトが日本語で書かれていたことが大きな影響を与えた可能性がある.本研究では,提案手法において日本語とドイツ語でプロンプトを作成し,結果を比較することで,使用する言語が意図理解に及ぼす影響を調査した.結果,特定の条件において,言語ごとに意図理解の程度に差が見られた.
  • P-2-65
    関根 和生 (早稲田大学人間科学学術院 人間科学部)
    金丸 航太郎 (早稲田大学人間科学部)
    対人会話において,話し手のジェスチャーが共通基盤の形成を促進することが示されてきた.しかし,聞き手のジェスチャーの影響については不明な点が多い.本研究では,聞き手の指さしジェスチャーが共同作業に与える影響を調査した.その結果,聞き手の指さしジェスチャーは課題完了までの時間を有意に短縮することが示された.これらの結果は,聞き手のジェスチャーが共通基盤の形成を促進していることを示唆している.
  • P-3-7A
    飯田 愛結 (日本大学文理学部)
    長原 令旺 (日本大学大学院総合基礎科学研究科)
    奥岡 耕平 (日本大学文理学部)
    福田 聡子 (日本大学文理学部)
    大森 隆司 (日本大学文理学部)
    中島 亮一 (京都大学)
    大澤 正彦 (日本大学文理学部)
    近年,発展が著しく進んでいる対話型生成AIは,言外の意味を扱うコミュニケーションにおいて,十分な性能を発揮できていない.我々は対話型生成AIと認知アーキテクチャを統合することで,ある3つのシチュエーションにおいて対話型生成AIが他者の意図を読むことができることを示してきた.本研究では,より多くのシチュエーションで提案手法を評価する.
  • P-3-17A
    梅村 弥生 (千葉大学融合理工学府数学情報科学専攻)
    仕事の現場では,社員らが図面や作りかけの部品を指し示しながら話し合う場面を頻繁に見かける.彼らはコ系指示表現を用いて,指さしや視線を配分しながら,実際にはそこには存在しない「水の流れ」や「製造機の故障」等について話し合っている.本研究は,最近の指示詞研究の分類枠を参考にしながら,相互行為の視点から,そこに「存在しないもの」がどのようにして「存在するもの」として参与者間で共有されるのかを記述し,コ系指示詞を伴う指さしの可能性を考察する.
  • P-3-23A
    高田 亮介 (東京大学)
    升森 敦士 (東京大学)
    池上 高志 (東京大学)
    本研究では,初期状態やパラメータが同じ複数のLLMエージェントが仮想空間上を移動しながらコミュニケーションするシミュレーション実験を行った.実験の結果,同一のLLMエージェントであるにもかかわらず,エージェントの記憶や周囲へのメッセージ,行動パターン,性格が分化した.このことから,LLMエージェントの個性や性格は,エージェントが空間を移動することで生まれる集団の中でのインタラクションを通して創発し得ることが示唆された.
  • P-3-37
    市川 雅也 (静岡大学)
    竹内 勇剛 (静岡大学創造科学技術大学院)
    本研究ではオンライン対話環境において創造的な議論を実践するための環境要因を探るために,複数の集団が互いにオンライン対話システムを介して接続していない/常時接続している/時間限定で接続している状況においてアイデア出しを課題とする実験を行った.その結果,常時接続している集団では問題解決に有用な発想の伝播が生じ,時間限定で接続していた条件では互いの案出偏向が類似する傾向がみられた.
  • P-3-44
    小林 海生 (静岡大学)
    遠山 紗矢香 (静岡大学)
    本研究では映像によって「共食」を再現することの効果を検討した.24人に対して他者の食事場面の録画映像と「共食」を行った研究1では,被験者のおいしさに対する評価は向上しなかった.これを踏まえて研究2では,他者と交流した後に食事の様子を中継して「共食」を行う実験を16名に行った結果,孤食時と共食時で味に対する評価が異なる傾向が示された.今後は残り8名への実験結果も踏まえて考察を行う予定である.
  • P-3-51A
    澤田 知恭 (筑波大学大学院心理学学位プログラム)
    原田 悦子 (筑波大学,株式会社イデアラボ)
    近年,会話中で発話する直前に,相手発話の聴取理解と自らの発話計画による二重課題が発生することが報告されている。また,高齢者は一般に二重課題が困難であること,発話にエラーが多いことが知られている。そこで,本研究では,会話中に発生する二重課題が,高齢者の発話エラーの発生に関連するか検討した。その結果,会話中に二重課題が発生する条件において,高齢者の発話エラー発生率は増加した一方,若年成人の発話エラー発生率は増加しないことが明らかになった。
  • P-3-54
    長原 令旺 (日本大学大学院総合基礎科学研究科)
    大澤 正彦 (日本大学文理学部)
    他者モデルは,他者の心的状態や行動を予測するためのモデルである.他者モデルは「平均他者モデル」「典型他者モデル」「個別他者モデル」の3種類に段階別に分類できる.平均他者モデルは一般的な行動パターンを捉える基礎であり,典型他者モデルは性格ごとに分類されて高い予測精度を持つ.個別他者モデルは特定の個人に基づき,最も精度が高い.本論文では典型他者モデルを4つに細分化し,それらの特性について議論した.
  • P-3-62
    Gabriel Rusk (中京大学)
    義郎 宮田 (中京大学)
    浅川 仁都 (中京大学)
    In 2022, Miyata Seminar students started a compost project in Toyota City, involving collaboration with the University Co-op Cafeteria, local citizens and groups in Toyota City, Japan. Our goal was to get more people involved in composting their food waste at work and home. This study will illustrate the various interests surrounding composting and analyze what values lead citizens and groups to become involved with compost. The mindsets around food waste, and the contents of food waste, differ between businesses and households. These differences affect the values each of these groups assigned to food, food waste, and compost. This study will analyze the mechanisms and motivations necessary to sustain composting efforts.